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小説の構造を線を使って表現してみた

「物語の流れ」を「線を引く」で表現する試みです。
暫定版:2021年4月11日

 私は小説書き初心者です。現在、三作目の長編のプロットを作っているのですが、納得いく物語を作ることが出来ません。面白い物語が作れないなと四苦八苦している最中、自分のプロットの何が問題なのかを考えました。
 しかしながら、いまいちこれだという点が分からない。
 そしてふと考えました。
 私はソフトウェア・エンジニア。専門のソフトウェア工学的には、構造を図案で表現することをよく使っているのですが、小説書きにはそれが無いなと。

 もちろん、いきなり小説用の設計図案の書き方を思い浮かんだわけではないです。
 でも、小説の構造やストーリー展開、表現や読みやすさをパッと見て分かる方法があれば便利なのではないかと思案しました。
 その結果、それを「線」で表現できるのではないかと思いつきました。
 (なお、これを使って物語を面白く出来るかどうかは別問題ですけど)

 このエッセイはその説明になります。

小説の構造→線 

まず、小説を書くとは何か? 
 究極的に端的に述べると、
• 始まりと終わりがある
• その間を物語が繋ぐ
 です。
 それを線化すると、つまり、
• 二点があり
• その間に線を引く
 です。

ここで、線を引くには座標系が必要ですね。
小説(物語)の入力と出力は何かと考えたのですが、以下のように決めました。なお、簡単にするために二次元です。

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縦軸(y)は、読者が受け取った精神の変化、満足度みたいなものです。
「ワクワク」、「ドキドキ」、「面白い!」、「凄い!」 みたいな感覚を得られると数値が上がる(Δy>0)と思ってください。
逆に、「ストレス」「つまらない」みたいな感覚だと下がります(Δy<0)。
特に精神変化がない場合は変化ゼロとなります(Δy=0)。

横軸(x)は、物語が進む時間です。エピソード数、ページ数と言ってもいいかもしれません。(実時間ではないことに注意してください)

さて、ここで実際にプロットしてみましょう。
例1
1. 太郎は朝目を覚ました。
2. 太郎は夜、ベッドに入った。

これをグラフで表すと、どうなるでしょうか?

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こんな感じ?
読者は何も得るものがないですよね?
 これ、よくいう「誰でも小説が書ける」というやつじゃないでしょうか? 二点を線で引くならだれでもできますよね。

例2
1. 太郎は朝、目を覚ました。「知らない天井だ」そう呟いた瞬間、天井が落ちてきた。
2. ・・・
3. 太郎たちはドラゴンと死闘を繰り広げ、世界を救い、ヒロインと結ばれた。

これをグラフで表すと、どうなるでしょうか?

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まあ、例なのでかなり端折ってますが、言いたいことは分かりますでしょうか?(笑)

線の要素

さて、ここで「線」の要素が、物語の要素を表している、と仮定できます。
どういう要素があるでしょうか?
ちょっと考えてみました。
• 勾配=引きの強さ=Δy/Δxが大きいほど、引きが強い。
• 実践・点線=読みやすさ。読点。リズム
• ジッター(線のブレ)=読みやすさ。漢字や言葉
• 折れ線、曲線=読みやすさ。ストーリーの追いやすさ
• 太さ、装飾=文章の重厚さライトさ
以下、それらを表現してみました。

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上記の要素を踏まえて、面白い小説を表現すると、こんな感じですかね?

ちなみに、いわゆる三幕構成を表現すると、こんな感じ?

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もう少し重厚な表現を入れるのもいいかもですね。

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人称と視点

さて、ここで人称と視点を表現してみます。
視点が変わると、線が途切れて、別の線があると表現できるのではないでしょうか?

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こうしてみると、なぜ一人称が好まれるかわかりますよね。物語に集中できて、ストーリーを追いやすい気がします。

作品を線化してみる

さて、実際に自分の作品を線化してみるとどうなるか?
まず、目標としては、満足いく結末が見え、それに向かってなめらかに登っていく、でしょう。途中緩急つけて読者の感情に訴えられればなおよい。

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だが、実際は次のようになりやすい。

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今の私の問題は、この両方の組み合わせのような気がします。

完結とエタり

完結とエタる様子はこうなります。

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数式化

さて、理想的な物語の線を数式化してみましょう。数学・図形好きならせざるを得ないですよね。とりあえず三幕構成で緩急あり最終目標に到達するこのグラフを使います。

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結論から言うと、y=xであり、緩急は波なのでsin(x)を使い、その合成として、
y=x+sin(x)

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もっと波が欲しいのと、入出力をわかりやすいように0から100になるようにスケールを調整すると、

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エピソードごとの緩急も考慮すると、よりリアルになるかも(笑)

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ちなみに、この式の微分は

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つまり、物語の進行度xの時点で、読者に与えるインパクトがその数値になっていれば予定通りの物語の面白さが保たれているだろうということです。(ほんまかいな)

テンプレについて

テンプレとは、よくある物語のパターンのことですが、それは、あらかじめ決まったプロット上のポイントが定義されているとみなすことができます。

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ただ、ポイントに則って作ると、たとえ多少変化を加えたところで、折れ線状態になり、物語が不自然になるかもしれません。
これは、テンプレートの定義点を制御点とみなし、ベジエ曲線やNURBS曲線で補間すると考えることも可能です。

結論

うーん、結構使えそうだけど、もう少し煮詰める必要がありそう?
さらに願わくば、これを利用して面白い物語を書くための数式を導き出すことかな?

もう少し考えてみます(笑)


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