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プロジェクトにおけるサンクコスト(埋没費用)

炎上プロジェクトによくあるパターンのひとつにサンクコスト(埋没費用)の問題があります
サンクコストは、「すでに支払ってしまい、取り返すことのできない金銭的・時間的・労力的なコスト」と定義されるものですね

サンクコストがシステム開発プロジェクトにおいて問題となるのは、PM(プロジェクトマネージャ)の判断を誤らせる要因となることが少なくないためです
プロジェクト運営において方向転換をした方が良いと思われる事象が発生した時
たとえば、テスト工程においてバグが多発して収束の目処が立たない場合、前工程の設計工程に戻って見直しを図るといった対策が考えられます

システム開発において上流工程の不良が下流工程で顕在化することは少なくありませんが、このような場合、テストでモグラ叩きをいくらやっても中々品質向上につながらないことが多いのです
そんな時には、上流の設計品質の見直しを図った方が良いのですが、それまでに実施したテスト工程の工数が無駄になることを嫌う、または手戻りの発生を嫌ってテストによるモグラ叩きを強行してしまう

冷静に考えれば、ダメダメな設計書に基づいて作成されたプログラムの品質が低いことは明らか
また、ダメダメな設計書に基づいて作成されたテストケースによるテストを行なっても品質向上は期待できない
そんな事は分かっていても、それまでに掛けたコストが無駄になることを恐れて正しい判断ができなくなるといった事象が発生します
このような悪い意味での勿体無い精神が、結果的にプロジェクトの失敗を誘発します

サンクコストに対する対策は、投資活動で言うところの損切り
駄目だと思ったら、それまでに掛けたコストを捨てる勇気ですね
この感覚は、某有名投資信託のファンドマネージャーから教わりました




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