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パッケージ導入案件でカスタマイズ悪人説があるけど、それ本当ですか?

その昔、金融機関のシステム開発はインハウス(内製)開発が主流でした
でも、最近はインハウスの開発をやめ、パッケージを導入することが増えてきました

内製開発は、自行の業務にフィットしている反面、開発コストを自行のみで負担するためどうしても高コストになる傾向があります
また、業務、システムに精通した要員を確保、育成する必要があるため人的コストも多くなってしまいます
そのため、最近は銀行業務の周辺だけでなく、コアな勘定系システムについてもパッケージを導入することが多く成りました

パッケージ導入のメリットは、まず低コスト。パッケージの開発に係るコストを複数行で負担するため低コストでシステムを使うことが可能となります
また、システムは制度変更(法令改正)等による改修が必要となることがあるので自行で内製したシステムでは法令等のウォッチや、改修に伴う予算確保、要員確保などを個別に行うことが必要となります
ですから、今後もパッケージの導入が進むのは規定路線と考えられます

一方で、パッケージ導入のデメリットはどのようなものでしょう?
まず考えられるのは、自行の業務にフィットしないケースがあるということ
パッケージシステムは、業務の最大公約数をシステム化したようなものなので必ずしも自行の業務にフィットしないことが発生します
その時にどうするかというと、ふたつのパターンを考えることができます

ひとつ目は、自行の業務をパッケージに合わせる
パッケージの仕様は、業務の最大公約数のようなものなので大きな破綻となるようなことはありません
また、パッケージのカスタマイズは開発コストが掛かること、稼働後の保守工程においても相応のコストが掛かることになるのでパッケージ導入のメリットを享受できない可能性があります
ですから、パッケージ導入案件ではシステムのカスタマイズはできるだけ行わず、自行の業務をパッケージの仕様に合わせるといった対応を図ることが多いのです

ふたつ目は、パッケージのカスタマイズです
パッケージの基本構造は使うものの、自行の業務に合わせてパッケージの改修を行うものです
こちらは、改修コストが掛かりますし、稼働後の保守工程においても何かとコストが嵩みます
パッケージ導入のメリット、低コストをスポイするような部分があることを否めません
ですから、パッケージ導入案件におけるカスタマイズはできるだけ避けるべき事項、カスタマイズ悪人説が出てくる訳です

では、パッケージのカスタマイズは本当に悪いことなのでしょうか?
現在の金融機関業務は、コンピュータシステム無しでは成り立ちません
そして、金融機関におけるシステムの良し悪しは、金融機関自身の競争力の源泉でもあります
コンピュータシステムを、金融機関同士の競争の武器と考えると他行と同じパッケージを使うのは同等の武器で戦っているのと同じかもしれません
その場合、競争の優劣は資金の大きさや、職員の練度で差が付くのだと思われます
そうであれば、パッケージをカスタマイズしてコンピュータシステムを企業間競争における武器とするのも選択肢のひとつだと考えています


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