Progateと、Progate Pathと、創れる人の話
はじめに
はじめまして。Progateの創業者の加藤です。
先日Progate Pathという新サービスのβ版 (*1)を公開しました。
現在は応募してくださったテスターの方を順次招待させていただいており、一般公開に向けて僕もチームメンバーの一人として関わりながら日々サービスの改善をしています。今日はこのProgate Pathの制作に至るまでの背景や、その目的である「創れる人を生み出す」ことについてちょっとポエムを書いてみようと思います。
なぜProgateを作ったのか
株式会社Progateは2014年、僕が21歳のときに共同創業した今年8期目の会社で、上記のProgate Pathとは別に、Progateという初心者向けのオンラインプログラミング学習サービスを提供しています。
Progateの始まりは、僕自身が20歳のときに挫折しながらプログラミングで何かを創る、という原体験にあります。(詳しい創業ストーリーは ProgateのCulture bookにて社内向けに書いたものをご参照いただけると幸いです!)
当時は今ほど初学者向けのプログラミングの学習リソースも多くなく、僕自身、本を買っては環境構築ができずに挫折をしてしまったり、学んだことをどうやったら実際のプロダクトづくりに活かすことができるのかイメージが湧かなかったり、どうしたら前に進むことができるのかがわからず、もどかしい日々を過ごしていました。
僕の場合はたまたま学習の道筋を示してくれる人と出会うことができ、アドバイスを貰えたことでそういった最初のハードルを乗り換えることができました。さらに運良く受託開発の案件をいただく機会があり、そこで夢中になってプログラミングを勉強し一つのプロダクトを形にする経験をすることで、なんとなく全体像をイメージできるようになりました。
この時期は毎日できることが増えていく感覚で(振り返ると実際にはバグの多いコードでしたが)、サービスのリリースをできたときには何でもできるような気分になり、それまでイメージしていた自分の人生とは違う、新たな選択肢が広がった感じがしました。
この頃の経験から、自分のように何もわからない初心者の人でも、プログラミングの楽しさを知り、何かを「創れる人」になれるようなサービスがあればそれは素晴らしいことなのではないかと考え、数カ月後にProgateを共同創業しました。
創業初期の頃からProgateの理念に「初心者から創れる人を生み出す」というものがありましたが、この頃に「創れる人」と呼んでいたものの解像度はあまり高くなく、最初のハードルを一つ一つ挫折せずに乗り越えられるようなプロダクトを作っていくことで、自然と近づいていくだろうというアプローチを取っていました。
そのため、自分たちが学んでいた中で難しく感じた部分を少しでもわかりやすく伝えるためにビジュアルを交えながらスライドで学べるような形式にしたり、最初から環境構築で躓かないようにブラウザ上でコードを書きすぐに実行することができる環境を用意し、ハードルを乗り越え楽しく学びながら目標物を形にしていく体験ができるようにプロダクトを作っていきました。
幸い今に至るまでプログラミングを学び始めたいと思ってくれる人は僕らが想像していた以上にたくさん増えていき、より多くの方に学んでいただくためのアプリ版のリリースや、インドやインドネシアなどへの海外展開もあり、今や世界中で250万人のユーザーさんにプログラミングの最初の一歩を踏み出すためのサポートをさせていただいています。
なぜProgate Pathを作っているのか
上述のようにProgateは多くの人にご利用いただけるようになり、Progateでの学びをきっかけに実際にエンジニアとして働いている人や、プロダクトを作って起業した人が生まれ、嬉しい報告をいただくことも増えてきました。
その反面、「Progateは初心者にはいいけど、本気で学びたいなら実務経験が必要だよね」といった声をいただくことがあるのも事実です。
また僕自身も、実際にProgateというプロダクトを8年運営してきて、プロダクションレベルのプロダクトを継続して開発・改良し価値届け続けることは相当大変だなというのを日々感じています。
創業当初の「何でも創れる!」という感覚はとても甘くて(実際に創業初期に僕が書いていたコードが負債となり今苦しんでいる部分もあり)、世の中に価値を届け続けられる「創れる人」を生み出すためにProgateとしてできることはもっともっとあるなと感じています。
そこに対して、一つのアプローチとして開発しているのがProgate Pathです。
Progate Pathでは、創れる人の定義として「プロダクションレベルのプロダクトを開発・改良する能力を持った人」というものを置いており、これまでの「極力ユーザーさんを挫折させず、プログラミングの楽しさを一人でも多くの人に知ってもらう学習の入り口」としてのProgateに対して、「挫折はするかもしれないけど、そこを自ら乗り越えることで実務の場で必要となる経験を疑似体験できる場」となることを目標としています。
そのため、これまでのブラウザ上で一歩ずつ学ぶことができたProgateとは異なり、実務でも直面するような課題をテーマとした演習をベースに、ローカル環境で自分で試行錯誤しながら学びを得ていくような体験になっています。
それだけだとただ挫折してしまうサービスになる可能性があるので、Progateらしい部分としては、ローカル環境で自分のコードを判定した結果をブラウザに送信することで、うまく行っていない部分に応じて仮説と検証を繰り返すための「アドバイス」を見ることができる機能を用意しています。
また、クリア後に自分の解き方と比較して学びを深めるための「解説」の機能などもあります。
「挫折させず、教えすぎず、試行錯誤をちょうどよく促すことのできる」アドバイスのバランスはとっても難しいのですが、βテストなどを通じてどんどん改善を進めていっています。
これまでの挫折させないProgateによって一人でも多くの人に創る楽しさを知っていただき、「もっと実務に繋がるような学びを得たい」という方に対しては、次の一歩を踏み出すことへの不安をProgate Pathが解消し、「プロダクションレベルのプロダクトを開発・改良」できるような力を得てもらうことができれば、僕らのVisionである「誰もがプログラミングで可能性を広げられる世界」に近づいていくと信じています。
Progate Path はこちらから
なぜ創れる人を生み出したいのか
ちょっとテイストが変わりますが、なぜ僕が「創れる人を生み出す」という目標を追い続けているのかについても綴りたいと思います。
Progateを創業してもうすぐ8年。創業当初に想像していたより、かなり時間のかかるミッションとなっています。
起業してから今日まで、スタートアップとしてある程度のハードシングスは経験してきましたし、目の前のプロダクト、長期的なロードマップ、資金調達、採用、組織の問題、海外展開など、休みの日でも頭の中は仕事のことで一杯で、常に何かに追われている感覚があります。
創業期に一緒にProgateを作っていた仲間や、同じ時期に起業した同世代の起業家の人たちも、別の会社を作っていたり、大学に通い直していたり、大企業に入社したり、何かしらのexitをしていたり、少し止まって家族の時間を大事にしていたり、それぞれ色んな道を歩んでいるのを見ると、今のあっぷあっぷしている自分のままでいいのか、自問自答することもあります。
そんな中でも折れず同じ目標に向かい続けられているのは、やっぱり僕自身が誰よりも「創れる人」に対する憧れがあるからだと思います。
根底にあるのは、Day1からずっと持っている「自分がもっともっと創れる人になりたいし、周りでもっともっと創れる人が増える手助けをしたい。」という想いです。
サービス提供を開始した初期に感じた、初めて本番のデータベースに自分たち以外のユーザーさんのレコードが加わったことを確認できたときや、自分の作った機能やコースを初めてTwitterで褒めてもらったときに感じた自分自身の創る喜び。
そこから頑張って何年もサービスを開発・改良してきた中で、TwitterのDMや直接お会いできたユーザーさんから、「数年前Progateで学んだおかげで人生が変わりました!」などの報告をもらえたときに感じた、創る手助けをできている喜び。
そして今後、ProgateやProgate Pathでサポートできて「創れる」ようになった人たちが、さらに何か世の中に価値のあるものを生み出していってくれたら、Progateというサービスの生んだ価値差分はとても大きいものになるのではないかと考えています。
さいごに
改めてになりますが、僕はプログラミングは単にWebサイトやプログラムを作るためのものではなく、世の中にある課題を解決するためのとても重要な力だと思っています。
ただし、大きな課題に対して解決できるくらいの力にするためには、その力を磨き続け、「創れる人」になることが必要だと考えています。
僕自身、自分にもっと「創る力」があれば。。。と感じることがとっても多いからこそ、ProgateやProgate Pathが目指している世界によってもっと沢山の人がプログラミングの力を手に入れ、その力を磨き上げ、様々な課題に対して活かすことができるような世の中になっていくと嬉しいです。
また幸い、Progateのエンジニアチームには優秀な人が多く、「創れる人」はこうあるべきでしょう、という高い「創れる人」のハードルを示し続けてくれています。
目指している「創れる人」のレベルはサービスの成長や世の中の変化で今後も進化していくかもしれませんが、コアにある想いは変わりません。
最後に、ありがちなやつですが、プログラミングの力を世界中に届けて「創れる人」を増やしていく、という難解なミッションに協力してやってもいいかなと言う人がいたら、ぜひお話できると嬉しいです!Meetyや採用ページ、TwitterのDMなどのリンクを記載しておきますので、少しでも興味を持っていただけたら気軽にお声がけください。
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