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Nightrageの推し曲5選

2024年10月23-24日、Nightrageが11年ぶりに来日決定!!!

いや~~~めでたい。めでたいですよこれは。

https://spiritual-beast.com/news/nightrage-live-in-japan-2024/

メロディックデスメタル、というジャンルは2000年を境に"完成"し、以降に出現したバンド群はデスメタル/ブラックメタルから切り離された別個の音楽性がベースとなっています。メロディックなメタルコアも同じく、基本的に2000年以降のメロデスを下敷きにしていると言えます。
最近では主にアメリカのシーンを中心に90年代メロディックデスメタルが再評価され、Upon StoneDarkness EverywhereMajestiesAstralborneなど黎明期を彷彿とさせるようなバンドたちが登場してきましたが、どちらかといえば過去の振り返りに重きが置かれているように感じます。

そんな中でNightrageはそのどちらにも寄りすぎない独特のバランス感覚を持っているバンドです。
結成は2000年、まさに新メロデス元年。90年代にExhumationというバンドで活動していたMarios Iliopoulosを中心に、At The Gatesでお馴染みのTomas Lindbergや後にOzzy Osbourneの右腕にもなるGus.GEvergreyTom S. Englund、Mr.メロデスエンジニアのFredrik NordströmThe Haunted他の名手Per Möller Jensenというまさにドリームチームのようなメンバーでプロジェクトバンド的に始動します。
そこから24年間の活動で数えきれないほどのメンバーチェンジを繰り返し10枚のスタジオアルバムを制作。ただ、これは不安定なバンドというよりはおそらく中心人物のMariosがいろんなプレイヤーと一緒にアイデアを試してみたいからかな~と思っています。あと呼ぶ人みんな多忙なビッグネームのバンドを持っているスーパープレイヤー揃いなのもあります。
音楽性にも一本筋が通っていて、メロデス黎明期を生き抜いてきたMariosのリフメイカーとしてのセンスを存分に発揮しつつも焼き直しにならないように新しいエッセンスを少しずつ足し引きし、クラシックだが古臭くない絶妙で質実剛健なメロディックデスメタルとなっています。

活動的にも派手ではなく第一線級の評価を受けているわけでもないですが、あくまで自分たちの道を突き進みながらコンスタントに高品質でマニアのツボを突く作品を生み出し続けている彼らは、最も称賛されるべきヘヴィメタルバンドのひとつだと思います。NWOBHMで言えばSaxonとかRavenみたいな印象ですね。

ただ、そういうストイックな活動と長いキャリアがゆえに、初めて触れた方がどの曲を聴けばいいかわからない……という悩みもあります。
そこで今回の来日公演を機に、ぜひこの素晴らしいバンドの魅力を知っていただきたく5曲オススメさせていただきます。


①HERO

はい、メロデス好きの皆さんはイントロ0.1秒で恋に落ちたかと思います。
記念すべき1stアルバムの中のめちゃくちゃわかりやすいキラーチューン。たぶんこれすごく意識的に「キラーチューン書くぞ!」って狙ってやった感じですよね。この後のアルバムであんまりこういうIn Flames的な曲は出てきません。Mariosの本流ではないです。
Tom S. Englundのクリーンボーカルも入っていますが、これがまたシブい入れ方なんですよね。あざとさがない。Nightrageはクリーンがあっても硬派なのが素晴らしいです。
この1st~2ndまではTomasがボーカルなので楽曲もちょっとデスラッシュっぽさがあります。

②Scathing

TomasGus.Gといった著名プレイヤーが脱退し、勝負となった3rdアルバム。
勢いを削がれるどころか、さらにメロディを研ぎ澄ませて質を高めてきました。それがわかるのがこのScathingという曲です。
とにかく至るところにメロディ、メロディ、メロディの嵐。なのに甘ったるくはない。ひたすら叙情的。そして曲が進むごとにその煽情度は高まっていく。
アルバム1枚通してだいたいの曲がこんな感じなので、これが最高傑作と言う人も多いです。
ボーカルはのちにDead By Aprilを結成するJimmie Strimell。クリーンもうまいのでこのアルバムでもクリーンパートが多くなっています。そのためメタルコアだと言われることもありますが、ぜんぜんメロデスの範疇ですね。

③A Grim Struggle

4thアルバムは前作の「メタルコア的」という評価を払拭するためか、最もクラシックなメロデスに寄った1枚となりました。
とにかくアグレッシヴかつメロッメロに仕上げた楽曲もそうなんですが、何よりメロデス界の一撃必殺技と言える曲中アコギパートの多用。ズルい。ズルすぎる。でもたまらん。
ある種懐古的なあざとさが強いため前作ファン的にはイマイチのようですが、個人的には初めて触れたのがこれということもあって大好きな1枚です。
余談ですが壁に飾りたくてこのアルバムのレコード買おうとしたらジャケが違って鬼のダサさだったため断念しました。アートワークのセンスが9割ぐらい酷いのもメロデス職人感ありますね……。

たこ焼きの頭蓋骨?

④Delirium Of The Fallen

「俺らはメロデスバンドじゃ!!!」と怒り狂ったかのような前作から2年を経て落ち着きを取り戻したのか、この5thアルバムでは噛みつくようなアグレッションは減退しているものの、むしろ自分たちの道を見つけた王者の風格すら漂っています。
事実、ここから先のアルバムはマイナーチェンジはしつつも基本的にはこのアルバムの路線で現在に至っています。
Nightrage流メロデスの完成が果たされた1枚、そのオープニングを飾る名曲です。
また、ゲストとしてFirewindSpiritual Beggarsで知られるApollo Papathanasioがシブいクリーンパートで華を添えています。

⑤Euphoria Within Chaos

いよいよ今年の6月にリリースを控える10thアルバムからのリードトラック。
5thアルバムから連綿と続くNightrage流メロデスの王道を進む、アグレッシヴでギター・オリエンテッドな楽曲となっています。
新任ボーカルKonstantinos Togasはシャウトの表現力は控えめですが歴代の中でも野太さにフォーカスしており、曲全体的にも少しどっしりと重心が下がったように感じます。
また先行公開されている3曲だとクリーン入りの割合も多いため、少しずつアップデートが図られているようです。
新しい声を得た最新のNightrageの姿を観られるのが今から楽しみです。


というわけで5曲紹介してみました。
10月の来日公演では各日17曲ずつ、新旧織り交ぜてセットリストを変えてプレイするということで聴きたい曲がどこまで聴けるのかワクワクしています。上記の曲も入ってると嬉しいですね~。
日本盤をリリースするSpiritual Beast/来日公演主催のCHROSH Bookingsの皆さんには頭が上がりません……。
でも大阪で踏ん張っている身としては東京公演だけというのが非常に悔しく……ほんと東京と同等キャパぐらいのハコ代ならぜんぜん負担できるから大阪でもやっていただきたい……そしてあわよくばO.A.で……。笑

上記の曲含め、各アルバムから数曲ずつ選んだプレイリストつくってますのでSpotifyユーザーの方はぜひ!


最後に宣伝ですが、8月7日に自分がボーカルをしているVesper the Aerialのアルバム『Devote Eternal』が出るのでぜひチェックしてください!!
日本で一番NightrageのO.A.が似合うメロディックデスメタルバンドだと思ってます!!
Ebony Tearsのカヴァーも収録でやりたい放題です!笑

画像クリックでリリースinfoへ

先行配信シングルはこちらから


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