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転生準備編 ~雲の上の話2~


あらすじ
「ボク、昔は猫だったんだよ」
「ただの猫じゃないよ。宇宙猫だったんだよ」
「神様から『このお母さんから生まれてくれない?』ってお願いされたんだ」
そんな不思議な息子と妻と、平凡な私のお話です。

自分の雲の話

「雲の上ではね、自分専用の雲がもらえるんだよ

ほうほう、自分専用の雲とな?

「うん。大きいのが一つと、小さいのが2つ。そこではね、自分の好きなものが作れるの」

へぇ、どんなもの作ってたの?

「オレはねぇ、食べ物博物館を作った」

ほうほう

「レストランとかで飾られてるやつあるでしょ?」

食品サンプルのことね。

「そうそう、それを集めて飾ってた。おいしそうだなーって」

建物とかはどうやって作ったの?

「LEGOみたいなブロックがあって、それを組み立てるの。積み重ねると、すーってつなぎ目が消えていくんだよ」

ほうほう。色は後から塗るの?

「ううん。初めから色がついてるの。こういうのが作りたいって神様に言えば、それを用意してくれるんだ」

そっかそっか、バブが一つずつ積んでいくなら、結構大変そうだね。

「そうでもないよ。すっごく軽いから」

軽いのか。もしかしたら、それの素材って雲だったりして。

「そうなのかな? うん、でもそうかも!」

他には何を作ってたの?

「うんとね、もう一つの小さい雲には回転寿司屋さんを作ってた」

おお、回転寿司! 食べれるの?

「たまにはね。基本的にはお寿司の食品サンプルが回ってるの」

食品サンプルかい!
たまには、ってことは、食べれるやつも流れることがあるの?

「うん。パーティする時とかは食べれるやつを作って流すよ」

誰が作ってくれるの?

「オレが作る」

おお、すごいっ! でも、一人で作るの大変じゃない?
お皿とかいっぱいあるでしょ?

「そんなに大きくないから大丈夫だよ。4人分くらいの席しかないから」

お、コンパクト。隠れ家的な感じだね。
どんなお寿司作ったの?

「マグロとか、シーチキンとか、色々!」

色々かぁ。

「チャーハンのお寿司も作ったことあるよ。『うめぇ!』って言ってた」

それってただのチャーハンでは?

「ちゃんと上にマグロ乗せたやつ」

ええ? 生魚? お、おいしいの?

「オレは食べてないからわかんない」

そ、そうですか・・・
3つの雲って言ってたけど、最後の雲には何を作ったの?

「うんとね、日本の歴史を集めてた」

おお、歴史資料館かぁ。

「うん。日本の歴史的な絵とか、化石とか集めたよ」

へぇ、どんな絵だった?

「うんとね、縄文時代に壁に描かれた絵とか」

おお、縄文時代からか・・・

「あとはね、三葉虫の化石とか、恐竜の化石とか! 他のバブ達と協力して天井からはモササウルスの化石を吊ってたんだよ!」

すごいな、規模が半端ないわぁ。

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神様と天使さんの話

雲の上って、神様とか天使さんとかいるんだよね?

「うん、いるよー。バブ達の面倒を見てくれてる」

そっかそっか。バブ達っていっぱいいるんでしょ?
大変そうだなぁ。

「うん、すごい大変そうだった。夜になってバブ達が寝た後も仕事して、夜中に帰るんだって」

うわ、残業あるのか・・・

「星を見るのが好きで、夜更かししてるバブいるんだけどね。ゾンビみたいになってトボトボ帰る天使さんをよく見かけたらしいよ」

えぇ・・・休みとかないのかな。

「あるよ。一週間に一回」

うお、週休一日か。

「でもね、休みの日に神様の会議があるときはそれに出てるみたい。帰ってくると死んだ目になってる」

うぉい! ブラック企業じゃねーか!

「うんブラック。それでね、たまに会議するって言って部屋でこっそりお酒のんでるみたい」

(末期だな・・・)
でも、よくそんな情報知ってたね。こっそり飲んでるんでしょ?

スパイバブから聞いたの

スパイバブ!?

「うん、スパイバブ。こっそり忍び込んで神様達が何やってるのか調べてくれるの。『これを調べてきてくれないか?』『ああ、構わんが・・・わかってるだろうな?』『もちろん、これが報酬だ・・・』ってコインチョコ渡すの」

やりたい放題だな。前世は特殊部隊か何かだったんだろうか?

「あー、そうかも。弟子もいるよ。その子はチャーハン大好きなの」

チャーハン・・・もしかして、チャーハン寿司の子?

「そうそう、その子」

そっかぁ、スパイバブ(弟子)だったのかぁ。

しかし、雲の上も世知辛いねぇ。
神様達がブラック企業社員とか・・・なりたくねぇな。

「神様達が大変だからね、みんなで話し合ってお手伝いすることにしたんだよ」

お、それは良いね。

「神様ホワイト化計画! こっちに生まれてくるときは、『後は頼んだぞ!』って後輩に託してきたんだ」

おお、なんかカッコイイ。

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