追い詰められる「旧い自民党」

この兵庫県知事選の記事は、日本の約30年間の「改革」を理解する参考になる。

思い切って単純化すると、日本を「普通の国」にするために改造しようとする改革勢力と、一億総中流の経済大国の実現に貢献した旧体制(抵抗勢力)の対立である。改革勢力は「国境や国籍にこだわらない」グローバリズム重視のAnywheres、抵抗勢力はナショナルインタレスト重視のSomewheresに当てはまる。

この対立👇が具体例になる。

「企業は、株主にどれだけ報いるかだ。雇用や国のあり方まで経営者が考える必要はない」
「それはあなた、国賊だ。我々はそんな気持ちで経営をやってきたんじゃない」
94年2月25日、千葉県浦安市舞浜の高級ホテル「ヒルトン東京ベイ」。大手企業のトップら14人が新しい日本型経営を提案するため、泊まり込みで激しい議論を繰り広げた。論争の中心になったのが「雇用重視」を掲げる新日本製鉄社長の今井敬と、「株主重視」への転換を唱えるオリックス社長の宮内義彦だった。経済界で「今井・宮内論争」と言われる。

画像9

このような思考👇を失っていないのが抵抗勢力、持ち合わせていないのが改革勢力である。

忘れてはならない基本的な問題は、日本の一億二千万人の生活をどうするか、よりよい就業の機会を与えるにはどうすべきか、という点なのである。

自民党は伝統的にSomewheresが主流の党だったが、郵政選挙によって抵抗勢力が一掃された結果、グローバルリベラルエリートのAnywheresの党へと変貌した。

画像1

しかし、地方議員は依然としてSomewheresが主体なので、彼らを掃討するための別組織が求められる。そこに維新の存在意義がある。「改革」の尖兵の役割もある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?