デジタル小作人と再版農奴制
先日の"つぶやき"に関してもう少し詳しく書く。
拡大するデジタルサービスの赤字--日本のITベンダーはデジタル小作人を続けるのか https://t.co/5XvWLDVx3w
— ZDNET Japan (@zdnet_japan) February 15, 2024
コラム:日本はデジタル小作人か、仮面の経常黒字国と円安の関係=唐鎌大輔氏 https://t.co/3Uh7bWzIzx
— ロイター (@ReutersJapan) February 20, 2024
「小作人」は言い得て妙だが、これは再版農奴制を想起させる。
民族大移動以後15世紀まで、東欧の社会的発展は西欧のそれと同じ方向をたどっていた。だが,西欧との経済的分業が進んだ15世紀後半から17世紀前半までの〈長い16世紀〉の間に、東欧の中のポーランド、チェコ、オーストリア、ハンガリー北部では、自立しつつあった農民が再び封建領主のもとに従属させられ、領主の西欧市場向け商品生産(穀物、肉、砂糖、ブドウなど)のための賦役労働に従事させられ、いわゆる〈再版農奴制〉の成立を見…
東欧が後進的になってしまったのは、世界システムの分業体制に組み込まれて「周辺」に位置付けられてしまったからだが、
かつての歴史学では、近代初期東ヨーロッパの農業制度を「再版農奴制」と呼び、中世の遺物が復活したものとして、東ヨーロッパの「後進性」の表れとしたもである。しかし、これもまた、カリブ海の奴隷制度と同じで、それ自体、資本主義的な「近代世界システム」の一部を形成する近代の現象にほかならない。
巨大な商品連鎖として存在する近代世界システムには、「中核/周辺」の分化がある。中核は、周辺を経済的に搾取し、文化的にも優位に立つ。自由な賃金労働が普通なのは中核だけであって、周辺では事実上の強制労働が一般的である。
日本がデジタル小作人(⇔格安見世物小屋)になったことにも同様のメカニズムが働いているのではないかと考えられる。
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食料・資源・エネルギーを輸入に頼る日本が経済的に豊かな「中核」であり続けるためには技術立国の路線しかないが、「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」とグローバリゼーションに邁進した安倍元首相の本音は「安売りすれば一挙解決!」の易きに流れるだったようである。
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元々、金融と情報の国際競争力が高くなかった日本が全面開国&安売り路線に走れば、中核であり続けるのが難しいことは経済の原理からして必然だったと言える。その運命から逃れるためにはケインズの「国家的自給」が必要だが、日本政府がその方向に動く可能性は限りなくゼロに近いだろう。
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