衆議院議員選挙で初当選(東京2区で比例復活)した鳩山紀一郎議員が現代貨幣理論(MMT)に肯定的なポストをしていたが、この程度であれば許容範囲内ではないか。
注意点を一つ挙げると、財政拡張(赤字拡大)余地としてインフレ率のみに着目するのは適当ではない。なぜなら、生産者は需要超過に対して値上げではなく数量制限や納期遅延で対応することもあり得るからである。
MMTは「財政金融政策を用いて物価安定と失業者ゼロを達成する」ための理論なので、真の制約は労働力であるといえる。政府が最低賃金で雇用するJob guarantee programの対象者がいなくなれば財政拡張は打ち止めとなる。
現在の日本は人口が減少しているにもかかわらず就業者は史上最多水準にあり、国内の供給余力が小さい⇒財政拡張によって埋めるべき需給ギャップが小さいことを示している。
要するに、財政拡張の余地はあることはあるが、過大な期待は禁物ということである。