ピケティとコロナウィルス

ピケティが希望的観測を書いているのだが、それは別として、貧しい国ほどコロナウィルスのダメージが大きくなるというのは、現時点では事実ではないように見える。

私たちが参照できる唯一の歴史的先例は、1918-1920年のスパニッシュ・インフルエンザだ。今や誰もが知る通り、これは「スペインの」話ではなく、世界で5000万人以上の死者を出した(当時の世界人口のほぼ2%)。市民台帳データに基づいた研究によると、この平均死亡率の裏側には、社会によって相当な開きがあったことがわかっている。米国とヨーロッパの死亡率は0.5-1%だが、インドネシアと南アフリカでは3%、インドは5%だった。
これこそがまさに憂慮すべき点である。貧しい国々で感染は記録的に拡大する恐れがある。こうした国の医療システムは衝撃に耐えることができない。

こちら(⇩)がわかりやすいが、人口100万人当たりの死亡者数の上位は欧米の先進国が多い。

インドは現時点で645人死んでいるが、人口100万人当たりでは0.5人に過ぎない。そもそも、年に1000万人も死んでいる国である。

高齢化した欧米で多数の高齢者が死んでいることが、全世界におけるコロナウィルスの影響の過大評価につながっているように見えなくもない。


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