シンガポールの中国系の出生率は0.99

シンガポール統計局によると、2019年の合計出生率は前年と同じ1.14だった。シンガポールは女の仕事と出産・育児両立のための手厚い公的支援で知られているが、超低出生率から脱却する兆候は見られない。

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民族別では、イスラム教徒が多いマレー系は1.8だが、中国系とインド系は0.99の超低水準である。

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女の高学歴化・労働力化と上方婚志向の衝突が超低出生率の根本原因であることは、下の三つのグラフからも見て取れる。

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韓国0.92(2019年)、台湾1.10(2018年)、香港1.07(2018年)も超低出生率だが、これらの国・地域が「一時的な成績の良さを、人口面でツケを払わされること」は確実になっている。

直系家族的社会の教育熱心と出生率の低下傾向は、一つの全体的構造をつくる。それは、少数の子どもをつくって、彼らに集中的に教育するという世界である。この過程は、一定の論理的ループをもって進行する。というのも、長い修学期間は、遅い結婚、遅い出産を意味し、これが今度は低い出生率を助長するからである。
直系家族的社会は、この一時的な成績の良さを、人口面でツケを払わされることになる。子どもを少なくすることによってきわめて手厚い教育を施せたのであるが、同時に、人口減少は、アメリカの文化的停滞と同じく、織り込み済みのことなのである。

合計出生率が1.0前後の中国系と韓国は夫婦別姓、1.4の日本は同姓(氏・苗字)であることにも注目。日本の氏・苗字は家族名であり、夫婦別姓論者の目的は「男女一組が家族を形成する」ことの否定、すなわち家族の解体(脱構築)である。

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