日本のGDPがドイツに抜かれた背景
2023年のGDPがドイツに抜かれかかっている件について。
四半期ベースでは1-3月期と7-9月期はドイツ>日本になっている。
1990年代はドイツの2倍前後だったので、相対的に半分に縮小したことになる。
相対的縮小の大半は実質GDP成長率の差よりも実質ベースでの円安によるもの。
構造改革前の「旧常態」では、円安→輸出数量増が国内生産に波及する景気拡大につながったが、企業がグローバル経営を深化させた「新常態」においては、為替レート変動に左右されない体制が整ったために、輸出数量増もその先も生じなくなっている。そのため、日本経済が景気循環的には拡大期でも、景気の強さが感じられず、円安修正されない状態が続くことになる。
企業の構造転換は世界経済における日本の地位低下を加速させた一方で、企業の本分である「稼ぐ」点においては大成功を収めている。
構造改革やアベノミクスでは、企業の「稼ぐ力」を高めることが日本の経済力回復につながると想定されていたが、むしろその逆になってしまった感がある。企業は変わる必要がないので、日本経済の地盤沈下が続くというのが最も有力なシナリオになる。減税や現金給付では根本解決にならないことは認識する必要がある。
付録
舛添記事のヤフコメだが、どこからこのような数字を見つけてきているのだろうか(工作員?)。正しくは、2013年1-6月のGDP(年率換算)は約4.3兆ドル(約580兆円)、2022年の1人当たりGDPは約3.4万ドルで、インフレ率もドイツ>日本である。
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