ロックリーの偽史騒動に尾鰭が付いてしまっているようなので、黒人奴隷について2017年の著書『信長と弥助』にどのように書かれていたかを確認する。
「権威の象徴としてアフリカ人奴隷を使うという流行が始まった」という説がどこから来たのかだが、ロックリーは中国の広州と同じ現象が九州でも生じていたと考えた可能性がある。
日本における奴隷に関する記述は58ページと126-127ページにほぼ同じ内容のものがある。
ちなみに、2019年の『AFRICAN SAMURAI: The True Story of Yasuke, a Legendary Black Warrior in Feudal Japan』には、日本の子供がイエズス会公認で海外に売られるシーンが描かれている。
「日本で黒人奴隷が流行した」も重要ではあるが、核心はそこではなく、弥助は織田信長の親友・右腕で、明智光秀や高山右近らと同格の有力武将になっていたというトンデモ説が既に世界に広まっているということである。既にロックリー以外の本も多数出版されており、海外在住の日本人が書いた『侍:宮本武蔵、弥助、織田信長、他』というとんでもないものまである。
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これほどの重要人物が歴史から消されたのは日本人の黒人差別のためだ、となるのは自然なことである。
それにしても、日本人はどうしてこんなに👇甘い(平和ボケ、お人よし、間抜け)のか。
これは明白な"culture war"、文化侵略であり、「ふんわり軟着陸」することはあり得ない。
「日大はロックリー准教授の経歴を抹消」とあるが、炎上する前から掲載されていなかったはず。
付録
ロックリーは同じ本の中でも違うことを書いている。例えば、第二章「弥助の経歴を紐解く」のこれら👇の記述は「弥助の役目は護衛であり、刀持ちであり、小姓」「友人のような立場」を除くと概ね問題ない。
ところが、最終章の第七章「弥助の生涯を推測する」の締め括りでは「日本史上もっとも有名な黒人」になっている。
ロックリーは『信長と弥助』を"academic book"と称しているが、学術書にこの👇スタンスは禁物である。