北欧エリート女の「利己主義と階級差別」

最近、日本でも北欧諸国の化けの皮が剥がれてきたようである。

北欧人を善良な人々と勝手に思い込んでいる人が少なくないようだが、世界に先駆けて断種法などの優生政策を実施した「合理的」な国民性である。

エマニュエル・トッドは、アメリカでイングランド人、ドイツ人、イタリア人、アイルランド人など様々な白人の間で平等が成立したのは黒人がいたためだったと指摘しているが、北欧諸国の平等の実態も似たり寄ったりで、自分たちより「下」の人間を必要としていたということである。

最初の記事に登場する「デンマークの大手新聞社(Berlingske)の女性編集長、Mette Østergaard氏」の言い分(⇩)は、北欧のエリート女が利己主義と階級差別に完全に蝕まれていることを如実に示している。

彼女の主張はこうだ。デンマークは他の北欧諸国、欧州諸国と比較しても、まだまだ管理職レベルでの男女平等が進んでいない。自分のような立場の女性が仕事に集中し、なおかつ家庭で子どもと過ごす時間を確保するためには、家事と育児をしっかり担ってくれる人材が不可欠である。また子どもの世話はいつも同じ人であることが子どもの福祉を考えても最適であり、急な発熱などにも同じ家庭に暮らすオペアはすぐ対応ができる。オペア制度はデンマークのキャリア女性の権利を支える要であり、この制度を廃止することは、女性の社会進出を阻むことにもつながるのだと。
しかし実のところ、現代の女性運動は階級に縛られている。白人の参加者は集団として資本主義を非難することはなく、それどころか、白人の資本主義的な家父長制を前提とした表現で解放を定義した。つまり解放を経済的地位と財力の獲得と見なしたのである。資本主義の信奉者の例に漏れず、こうした白人女性もまた、仕事こそ解放への鍵であると宣言した。この仕事重視の姿勢には、白人女性の解放運動家の現実認識が、利己主義と階級差別と人種差別に完全に蝕まれていたことを示していた。
It is a victory over historic discrimination. But it also means that the female elite is increasingly different from other women. Class trumps gender. And inequality among women is rising much faster than inequality among men.
They have professional occupations where women are succeeding alongside men. And then they have lower-paid occupations which are overwhelmingly female or overwhelmingly male. That is exactly what happens in the developed world; but in Scandinavia the divide between the two is even larger and sharper than for the rest of us.

スウェーデンの専門家も、平等や寛容を掲げた諸改革が、ヨーロッパの優位性を示す一種の植民地主義だったと指摘している。スウェーデンでも経済格差の急拡大と共にメイドが復活している。

“Sweden is really part of the European colonial project, whereby Europe is seen as superior to every other continent, the cradle of civilization.”
Another example is the issue of equality, which is also colour-blind. Equality in the modern Swedish home is maintained by its tax deductible status. Swedish women nowadays don't need to negotiate with their husbands; housework is instead handed over to another woman.
“Values we thought we had given up a long time ago have survived and are appearing again. Maids are back in Swedish homes.”
In all three countries the women were aware how privileged they are and how unequal the world is. As one of them put it: “As a white Swede you are unbelievably privileged”. In Singapore it became very obvious; many of them had maids from poorer Asian countries, who were in the country under completely different conditions.
Globalisation favours those already in a good position,” Ms Lundström explains. “There are no obstacles for these white women, transnational mobility is taken for granted.”

未だに騙されている人が多いようだが、現代フェミニズムとは公民権運動や反アパルトヘイトのような特定の属性に対する制度的差別の撤廃を目指すものではなく、エリート女が「経済的地位と財力の獲得」に専念できるように家事育児から解放するものである。

でも結局、私は幸運でした。私は出産や家事の義務など女性を隷属させるいろんなものをまぬがれていましたから。
個人的な面では、一番大事なことは働くことです。そしてできれば結婚を拒否すること。

エリート女は家事育児する夫を選ばないので、第三者にアウトソースされることになる。

エリート女の泣きどころは、エリート男しか愛せないってこと(笑)。男性評論家はよく、エリート女は家事労働してくれるハウスハスバンドを選べなんて簡単に言うけど、現実的じゃない。

それは必然的に「ただの女」をただ同然の低賃金でこき使うことになる。

「男女平等」の資本主義的解決は、エリート女とただの女への女性労働者の二極分解である。この現象は、女性解放先進国でのきなみ起こっている。
かつての「社交」に「仕事」が代わった現在、一度は消えた「乳母」が復活して、高学歴高収入の母親たちを支えている。今日の「乳母」は、乳をやったりはしないが、出産後間もなく職場復帰していく女性の子どもたちの世話をしているのである。
"Firstly, domestic workers (in Singapore) may earn a lot more than in their countries of origin. Therefore, it is perceived as acceptable to pay them a low wage," she told CNA. "Secondly, domestic work is usually considered 'informal' work and may be undervalued."

Mette Østergaardのような一流の女あるいはパワーカップルが二流の女を安く「女中」や「乳母」として働かせることが、フェミニズム・男女共同参画の当初からの狙いだった。これ(⇩)が一流女の本音である。

賃金が上がらないといっても、外食せずに家で鍋をつついて、100円レンタルのDVDを見て、ユニクロを着ていれば、十分に生きて行けるし、幸せでしょう?

エリート女→🐷、ただの女→その他の動物、男→人間に置き換えれば、フェミニズムは『動物農場』と全く同じ構造をしている。フェミニズムとは、上の女による下の女の搾取を、男による女の搾取にすり替えて、加害者のエリート女を被害者に偽装する狡猾な理論といえる。二流女を搾取しているのは男ではなく、ノーメンクラトゥーラのフェミニスト🐷なのである。

It is a victory over historic discrimination. But it also means that the female elite is increasingly different from other women. Class trumps gender. And inequality among women is rising much faster than inequality among men.

大衆を豊かにできなかった共産主義(コミュニズム)は自滅したが、多数派の女を貧しくするだけでなく、人口再生産も不能にするフェミニズムもいずれは滅びるだろう。それまでに膨大な犠牲者が出ることは間違いないが。

補足Ⅰ

①製造業など技術進歩によって労働生産性が向上するセクターで実質賃金が上昇する→単位労働コストの上昇は小

②保育や介護など労働生産性が上昇しないセクターの実質賃金も釣られて上昇する→単位労働コストの上昇は大

③単位労働コストの上昇率の差が相対価格の上昇率の差に反映される→保育や介護が割高になる

①~③はボーモルのコスト病である。技術進歩の副作用として、

④保育や介護のコストを賃労働で稼ぐよりも、賃労働を止めて自分で行う方が安上がりになる。

さらに、①②の全般的な実質賃金上昇により、

⑤家計所得の増加が共働きの必要性を低下させる。

④と⑤と「夫は妻を養うが、妻は夫を養わない」ことから、実質賃金の上昇は妻の賃労働からの退出→家事育児への専念(専業主婦化)を促進することになる。

ところが、エリート男しか愛せないエリート女にとっては専業主婦は不本意な奴隷的境遇なので、自分が家事育児から解放されて「経済的地位と財力の獲得」に専念できるように、片働きでは家族の生活が成り立たない水準まで実質賃金を引き下げて「賃金奴隷」を増やす政策を要求するようになる。

正規雇用者の給料を下げて、夫に600万円払っているのなら、夫に300万円、妻に300万円払うようにすれば、納税者も増えます。

補足Ⅱ

北欧諸国で家事育児に第三者の手を必要とする親が多いのは、フェミニズムによって家族の解体が進んだためである。10歳の子供の2割は片親で、3割は両親が揃っていない。

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言葉を借りて改変。

私が、エリート女に1つだけ言いたいのは、「みなさんには忙殺される自由がある」ということだ。「仕事と子供の二兎を追うなら、追ってもらって大いに結構。その代わりに忙しくなるので、忙しさをエンジョイしたらいい。ただ1つだけ、そのときに家庭を守りたい女の足を引っ張るな」と。

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