シンガポールの超低出生率

シンガポールの2023年の合計出生率が史上最低の0.97となった。一般的に出生率が低い都市だけの国であるという構造的要因に、辰年の2024年への出産先延ばしが重なったことが主な原因である。

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中華系は0.81、バーラト系は0.95と史上最低に、マレー系も1.65と2011年の1.64に次ぐ低さとなった。

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30歳未満が低下し続ける一方、30歳以上は横ばいとなっているが、これは、TFRの低さが出産時期の先延ばし(晩産化)によるtempo効果によるものではなく、最終的に産む子の数が減るquantum効果であることを示している。

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シンガポールは経済状況は悪くなく、政府の「仕事と育児の両立支援」も充実しているが、それでも超低出生率の反転の目途が全く立たないことは、日本の少子化議論が完全な的外れであることの証明にもなっている。人間の体は一つなので、女が男並みに仕事をするようになれば、トレードオフで出産が減るのは必然なのである。

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