女性解放と賃金低下

参考になる記事を見つけたので紹介。

これは単に需給と価格の関係だけではなく、賃金決定における暗黙のルールが変更されることでもある。ロナルド・ドーアも「女性運動とジェンダー革命」にこの(⇩)ような効果があることを指摘している。

「一家の稼ぎ手モデル」が組織内での賃金決定における要因として持っていた規範的な力を失わせ、一般効果として市場個人主義の推進力として働きます。

「一家の稼ぎ手モデル」を労使が共有していた時代には、使用者側にも「労働者の家族が生活できる給料は支払わなければならない」という意識があった。しかし、フェミニズムや個人主義の浸透のためにこのような意識が破壊され、人件費最小化のムーブメントに歯止めがかからなくなってしまった。

フェミニストが「企業が給料を払いすぎるから女が家庭に縛り付けられる→女性解放・男女平等のためには賃下げが必要」と運動していたことは見逃せない。

世帯を養える賃金を男1人に払う家族給に支えられた 「男性稼ぎ主モデル」こそ、女性差別の根源なのですよ。
正規雇用者の給料を下げて、夫に600万円払っているのなら、夫に300万円、妻に300万円払うようにすれば、納税者も増えます。
「男女共同参画社会は、新自由主義的なベクトルとフェミニズムとの妥協の産物だ」というのは、100パーセント正しいと思います。

革新(→リベラル/改革派/ネオリベラル)が労働者の敵になったことは他の先進国も同じで、アメリカでは民主党、イギリスでは労働党が支持基盤を労働者からマイノリティ(→アイデンティティ・ポリティクス)にシフトしている。

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