経済学者の「新しい発展」モデルの荒唐無稽

経済学者が煽った構造改革が荒唐無稽なことがよくわかる記事である。

中国はさまざまな点で日本と条件が違いすぎるので、日本は中国をモデルにすることはできません。また、すべきでもないでしょう。
しかし、アイルランドをモデルにすることはできます。
例えば、道州制を導入し、全国を5つの道と州にしたとすれば、一つはアイルランドと同じくらいの面積になります。これらの各々に独立国並みの自由度を与えることとすれば、新しい発展が期待できるかもしれません。

アイルランド経済は2018年には純輸出が家計消費を上回る特異な構造をしている。輸出の対GDP比も120%を超えており、日本のモデルにすることは到底できない。日本に近いのは中国であってアイルランドではない。

画像1

画像4

アイルランドが「世界一豊かな国」に見えるのは、海外企業の経済活動によって嵩上げされているためで、国民生活の豊かさを示す個人消費は世界一からは程遠い。

しかし、アイルランドはすぐに高い経済成長率を取り戻し、現在は、世界一豊かな国の地位をルクセンブルクと競うようになっています。

画像7

画像5

画像6

画像2

海外企業(特にアメリカ企業)がアイルランドに進出した大きな要因は、長年のイギリス支配によってアイルランド語よりも英語が普及したためで、日本とは決定的な違いがある。

アイルランド語であるゲーリックは英語とはまったく違う言語ですが、国民の誰もが、自国語と同じように英語を話せます。そのため、英語も公用語としており、グローバリゼーションを実現しています。

アイルランドの経済規模はアメリカ+EUの百分の一に過ぎないので、投資を誘致するだけで急成長が可能だったが、日本は真似をするには大きすぎる。

画像3

日本を小国に分割して(旧英植民地のように)英語を公用語にすれば、アイルランドのような「新しい発展」が期待できるのかもしれないが、それで失うものの大きさを想像できないのが経済学者である。

「アイルランドをモデルにする」も、外国の金に依存する国になる点では「観光立国」と本質的には同じである。敗戦からわずか34年後に"Japan as Number One"と呼ばれた国が、ほぼ同じ年月で乞食志願に落ちぶれることになったが、経済学者のアドバイスに従って財政再建と構造改革に励んだ結果である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?