中野剛志の上野千鶴子批判

中野剛志は理解した上で方便として虚偽の説明をしているのか、それとも本当に理解していないのか分からないが、不正確な言説が多すぎる。

内閣府男女共同参画局の資料にリンクしてこのように書いているがミスリーディングである。

とりわけ、コロナ禍では、男性よりも女性の就業者数の方がはるかに大きく減少しました。
コロナ禍は、女性に対してより深刻な打撃を与えているのです。

確かに、コロナ禍の前のピークと渦中のボトムの差は男よりも女の方が大きいが、元々、女は季節変動が大きいサービス業に多いことも考慮しなければ「女性に対してより深刻な打撃を与えている」とは言い切れない。原数値と季節調整値を少し長めの期間を見比べれば、男女に大差はない。

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女の自殺が増えたのはストレス耐性が低いからで、経済的な打撃がより深刻だからではない。

2020年の対前年比の自殺者数も、男性は26人の減少でしたが、女性は934人も増えています。

中野が熱心に叫び続ける有害なデマがこれ👇だが、現在の世界標準の制度では、政府は支出のために通貨を発行していない。国民に課税をしてとり上げる通貨は「もともとは政府が生み出したもの」ではない。

ここで、「現代貨幣理論(MMT)」を参考にして、もっと根本的なことから説き起こしましょう。
そもそも、日本のように、自国通貨を発行する政府は、自国通貨建て国債の返済が不可能になることはありません。つまり、財政破綻はしません。
そもそも、自国通貨を発行している政府は、課税によって財源を確保する必要がありません。国民に課税をして通貨をとり上げたところで、その通貨は、もともとは政府が生み出したものなのですから。
要するに、税は、財源確保の手段ではないということです。

現行制度の論理構造を図で示す。✚の左右は資産と負債、上下は増加と減少を表す。

①民間銀行が貸出や資産購入によって通貨を発行(創造)する。

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②別々の民間銀行の預金を交換可能にするために、中央銀行は民間銀行が保有する適格資産を裏付けに通貨を発行する。この際、政府の債務が裏付け資産になることは、政府が通貨を生み出したことを意味しない。政府も小額通貨(硬貨)を発行して中央銀行に交付する。

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③政府は民間との受け払いには中銀通貨(中銀預金)を用いる。

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中野は③を「中央銀行は政府の一機関なので、実質的に政府が通貨を発行して民間に供給している」と解釈しているがそうではない。中央銀行は原則として政府に直接は信用供与しないので、政府が中銀預金を入手するルートは「民間が保有する民銀預金との引き換え」になる。これは、民間は民銀預金と引き換えでなければ現金を入手できないことと同じである。

現行制度では、政府は軍が軍票を発行して物資を調達するようなself-financeは原則禁止なので、政府は民間から徴税や借入で通貨を調達しなければ支出できない。政府は通貨のissuerではなくuserなので、「税は、財源確保の手段ではない」は誤りである。日本の財務省の国庫制度の解説にもこの👇ようにある。

国は、外交、国防、警察などのほか、社会資本の整備、教育、社会保障などの国民生活に必要不可欠な公共サービス等を提供するため、「税」という形で国民から調達しています。
国は、そのための財源として税金や国債等により民間部門から資金を調達して支出を行うといった財政活動を行っており、その所有する現金である国庫金を一元的に管理して効率的な運用を行っています。

政府が「財源の制約を受けずに、財政支出を拡大する」制度、すなわち政府の追加的な通貨調達のコストがゼロの制度では、

日本政府は、自国通貨を発行するので、財源の制約を受けずに、財政支出を拡大することができます。

このような事態👇を招く危険性が極めて高いことが歴史の教訓として得られている。

財政支出を拡大し過ぎて、需要が過剰になり、供給が追い付かなくなると、インフレになります。

そのため現行制度では、税収では足りない分を民間からの借入で追加調達する際には、インフレ分が調達コストに織り込まれるようになっている。予想インフレ率が上昇すると借入金利も上昇するので追加調達にブレーキがかかる。逆に、低金利は予想インフレ率の低さの反映なので、財政支出の拡大余地が大きいことを意味する。

逆に言えば、高インフレにさえならなければ、財政支出をいくら拡大してもいいということです。

これ👇も不正確である。政府は永続的存在なので、ストックの元本部分は借り換えを繰り返して完済を半永久的に先送りできるが、フローの利息部分は雪だるまにならないように、原則としてフローの税収で賄う必要がある(ただし、増税が必要とは限らない)。財政の健全性(持続可能性)を左右するのは国債の残高ではなく利払費ということである。

「財政赤字は、将来世代へのツケ」というのも誤解です。
国債の利払いや償還を行うために、また新規に国債を発行すればいいだけの話です。増税の必要はありません。

この👇前半はその通りなのだが、女に限定する必要はない。

むしろ、今の政権が借金作らないで、財政支出を増やさず、感染を拡大させ、失業や貧困を増やし、我が国をいっそう衰退させることの方が、将来世代に重いツケを残します。
中でも、コロナ禍での女性の失業、貧困、自殺を放置することによる将来へのツケは、特に深刻なものとなるでしょう。

これ👇も突っ込みとしてはその通りだが、上野の目標はジェンダー平等(そもそも、これが何を意味しているのか不明だが)ではなく、自分が『動物農場』の🐷のような特権階級になる社会革命なので、上野に対しては効き目はない。

上野千鶴子先生のツイッターでの発言は、財政政策の観点のみならず、ジェンダー平等の観点からも、問題だらけと言わざるを得ません。

上野が関心があるのは自分たち一流の女(🐷)の権威・権力・金力の拡大で、二流の女の「失業、貧困、自殺」はnone of my businessと考えていることは長年の言動が示している。「ジェンダー平等」とはその本音をカモフラージュする方便なので、中野も新自由主義を批判するなら、それと表裏一体のフェミニズムも批判してもらいたい。

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