ポピュリズムと「取り戻す」

昨日の記事の続き。

現代の先進国のポピュリズムの根底には「為政者のために失われた良き時代を取り戻す」という願望がある。つまり、一種の復古運動である。

WATCH: During his rally Wednesday, President Trump tells his supporters to go to the U.S. Capitol: “You’ll never take back our country with weakness. You have to show strength.” https://t.co/hHsSl9yQWY pic.twitter.com/EZmdBTh8nY

— NBC Politics (@NBCPolitics) January 7, 2021

By leaving the EU we can take back control and determine our own destiny.https://t.co/4UKH5kJD2U

— Nigel Farage (@Nigel_Farage) March 15, 2016

なので、「日本を取り戻す」の安倍前首相や、「大阪の豊かさを取り戻します」の維新は正統派のポピュリスト政治家・政党である。

維新の大阪での強さが際立っているのも、大阪の経済的地位の低下が著しいことの反映と見られる。

1人当たり県民所得の大阪府の順位の変遷（1955～2018年度）

▲：1980年基準
◆：1990年基準
■：2000年基準
●：2011年基準

一般的に「損を取り戻そう」と焦る人は騙されやすい（貧すれば鈍する）。また、日本人には質素倹約（ケチる）を支持する非常に強い傾向がある。「米百俵」や「身を切る改革」と叫び続ければ選挙で勝てるのだからちょろいものである。