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明石市の人口増加

明石市の泉市長のツイートが復活したので、その「実態よりよく見せるテクニック」の検証を再開する。

今回は人口増加を示すグラフについて。

ツイートのグラフの推計人口は5年毎の国勢調査人口をベースにしているが、泉市長の就任直前の2010年10月はマイナス、就任中の2015年10月と2020年10月はプラス方向に非連続となっている。そのため、2012年8月以降は連続性がある住民基本台帳人口と比較すると、推計人口の増加が大きくなっている。

明石市

兵庫県内で人口が増えているのは明石市だけと誇らしげだが、近畿地方に目を広げれば他にもある。

例えば、京都府の京田辺市は特段の転入促進策はとっていないが、明石市よりも増加率は高い。

京都府,明石市
京田辺市は10月1日,明石市は4月1日現在

大都市圏では人口が①都心か②都心から距離はあるが鉄道の便のよい地域に集まる傾向が強まっており、兵庫県では明石市が②に該当する。神戸市は全体では人口減少だが、①の中央区は明石市よりも増加率が高い。明石市の人口増に子育て支援策目当ての転入増が寄与していることは間違いないが、立地条件が時流に沿っていたという要因も大きい。

人口を地区別に見ると、増加が続いているのは大久保だけで、本庁(東部と西明石)の増加は明石駅周辺の再開発事業完了後の2年間に集中、魚住と二見(泉市長の地元)は停滞している。この違いは土地勘がある人にはすぐに分かる。

明石市

「まちの好循環」の虚構については既に記事にしているが、税収のデータを2021年度までにアップデートしたものを後日の記事で。

付録

厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」, 総務省統計局「国勢調査」より作成

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