「結婚したところで最期は一人で死ぬ人が大部分」ではない

大手広告代理店の自称「独身研究家」が例によって「結婚しても人生は豊かにならない」とのプロバガンダを発信している。

このグラフの数字は「75歳以上」ではなく「65歳以上」のものである。75歳以上では、未婚・死別・離別の割合は

男:9%・78%・13%
男:6%・88%・6%

となっている。

配偶者がいない人のデータから「結婚したところで最期は一人で死ぬ人が大部分」と言っても意味がない。有配偶も含めると、男に関しては「結婚したところで最期は一人で死ぬ人が大部分」は誤りである。平均余命は女>男で、年齢は夫>妻が多いためである。

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女は結婚しても多くは夫と死別することになるが、子や孫がいれば「一人で死ぬ」とは言えない。そもそも、結婚の第一の意義は子を産み育てることであり、最期を看取ってくれる配偶者を確保することではない。

繁殖に成功することは、人間を含むあらゆる生物の究極の目標である。人間は進化の歴史の中でそのようにデザインされているのだ。それが命というものの意味だ。
結婚の第一義的な意義が繁殖にあるのは自明である。

この自称独身研究家は他にも誤った情報を発信しているので注意してもらいたい。

大手広告代理店が「結婚しても人生は豊かにならない」「独身生活をエンジョイすればいい」とのメッセージを発信し続けるのは、非モテ男から結婚願望を失わせる(→女へのアプローチを減らす)ことが目的の一つではないかと勘繰りたくなる。

付録

この自称独身研究家は思い込みが強すぎて物事を理解する能力に欠けているようである。

「生きていく環境こそが人生を決める」という思い込みが事実ではないことが現代ビジネスの記事の主旨である。

働き盛りの40代半ばに向かって、共有環境の影響はどんどん減少し、逆に遺伝の影響が60%を説明するほどまで増加するのだ。
あわせて非共有環境の割合も増加する。つまりその人が、実力とは別に、たまたまどんな儲かる仕事の機会にありつけたかということも30~40%近くを説明するというわけである。
つまり男性の収入は、その人の遺伝的素質をどれだけ伸ばしつづけ、そのときたまたまどんな仕事に恵まれていたかでほぼ説明がつき、はじめあった親や親族のコネの影響など雲散霧消してしまうのである。

「遺伝の影響が大きいこと」は「遺伝で全てが決まる」ことではない。息子は父親の完全なコピーではないのだから、「殺人した農水次官の息子は父親みたいになってない」ことでは遺伝の影響の大きさを否定できない。

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