「少子化って、女性が社会進出するせいだよな」の真偽

少子化について情報を得たいのなら、このような俗説(というよりリベラルのプロバガンダ)満載の本👇よりも、

こちら👇をお勧めする(引用部はp.94)。

妻の就業率の上昇はわが国の出生率を上昇させたのだろうか、それとも下落させたのだろうか。この問いへの答えは、妻の就業率上昇は、出生率を下げた、となる。
わが国は仕事と家庭生活の調和をすすめるために労働時間の削減をすすめてきたが、実は夫が長い時間働くことは、結婚した男女の出生意欲を高める要因であった。夫が長く働くほど、第一子誕生の確率も有意に高くなっていた。

最も重要な非婚化要因への踏み込みは足りないものの、類書に比べるとイデオロギーのバイアスが薄く、データ分析が客観的なので、資料としての価値は十分にある。

付録

『[続]少子化論』の第5章でも取り上げられているが、女がよく働く中華圏の台湾、香港、シンガポール(中華系)の出生率は日本よりも低く、2020年には1を下回っている。

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われわれの研究では、日本・韓国・シンガポールにおいて、仕事と子育ての両立のしにくさが少子化に強く関係しているとはいえなかった。
アジアの男女賃金差を実際に分析した結果によると、その差は日本が最も高く、次いで韓国、台湾の順であった。シンガポールは男女賃金差がなかった(Takenoshita 2020)。想定と異なり、この四ヶ国のうちで最も男女賃金差が大きい日本が、最も出生率が高かった。

2010年代に「男女平等/女性活躍」がテーマのシンポジウムで、台湾の女の研究者に「女のempowermentは少子化を促進するので社会が持続不能になるのでは?」と質問したところ、怒りの口調で「男女平等は出生率を高める」と回答された(会場からは拍手)。それ以上突っ込むと会場全体を敵に回しそうだったので止めた。

彼らの世界観は「労働者vs資本家」を「女vs男」に置き換えたマルクス主義のようなものなので、事実に基づく議論は成立しない。

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