森おろし・BLM・天皇機関説事件

池田信夫と意見が一致してしまった。

親ポリコレのバイデン米大統領誕生によって「リベラル文化大革命の輸出」が活発化すると予測していたが、早くも森おろしによって実現した。BLMの日本版を実行するチャンスを窺っていた日本の左派リベラルが、日本を「教化」する意図を持つ西洋のリベラルの協力を得て、森会長の首をとったという構図である。

左派マスコミが発言を編集して騒ぎ立てる→SNSで活動家が拡散→シンパの芸能人やスポーツ選手などの有名人が批判→大企業も圧力→cancel、という戦術が持ち込まれて成功したことになる。芸能人とスポーツ選手は「感動させる」人たちなので、論理を無視して人々を感情的に煽動する役割には向いている。

NIKEのCMが典型例だが、アメリカのグローバル企業はかつてのキリスト教の修道会のような「強制改宗」の実行部隊としてリベラルに期待されている。

日本企業も、日本市場への依存度が下がれば、西洋イデオロギーに改宗した方が合理的である。

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西洋のアイデンティティ・ポリティクスでは人種・民族と同性愛、性自認がメインになっているが、日本では歴史的に大きな問題ではないので、男女の問題にほぼ集中している。今回の森おろしは、神聖不可侵の対象を天皇→女にすれば天皇機関説事件とも似ている。キリスト教世界なら「カノッサの屈辱」である。

感情的に森おろしに加担した人々の大半は、"ideologically motivated people"たちの危険性には全く気付いていないだろう。「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国」の天皇を女に置き換える革命が彼らの目標である。

According to Kormany.hu, the pair also discussed political correctness which, in their view, thwarts meaningful debates in public life, and is additionally “an invention of a small group of ideologically motivated people”.

この運動は『動物農場』が参考になる。運動を仕掛けた役得を狙う上級国民の女が🐷、煽動されて利用される下級国民の女がその他の動物、森おろしに加担する男の「騎士」が🐷と手打ちして協力関係になる人間たちである。

(1990年代末からの構造改革で、改革派が煽動した「抵抗勢力」叩きを国民の多くが熱狂的に支持した結果が現在である。)

リベラルのアイデンティティ・ポリティクスはキリスト教から発展したプロテスタント系新宗教のようなものなので、キリスト教文化圏に広がりやすい(旧共産圏は類似のイデオロギーで苦しめられたために免疫がある)。

「人種間の平等」がリベラルの”宗教“であるという考えを、私は直接的にはハーバード・ロースクールの憲法の授業で、ノア・フェルドマン教授に習った。
「そう、我々はいまだ消えぬ『原罪』を抱えている。道半ばに倒れた『キリスト』の意志を継いで『白人と黒人の平等』という教義を世に広めようと努力し続けている。信仰にも似た熱心さと従順さで。この『人種間の平等』が我々リベラルの心の拠り所だ。この教えをリベラルの『信仰』としないで、他の何が信仰の名に値するだろう」
この教義は後に「すべての人間の平等」へと拡大した。フェミニストはそこに「男女の平等」を入れ込み、LGBTは「セクシャリティの平等」を含めることを主張したからだ。

韓国でフェミニズムが猛威を振るっているのも、キリスト教徒の多さと関係があると考えられるが、日本ではキリスト教が広がっていないにもかかわらず、女を争点にしたアイデンティティ・ポリティクスが支配的になっていることは注目される。

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