有配偶出生率の変な記事

少子化関連記事には不正確なものが多いが、これ👇もその一つ。

配偶者を持つ女性の出生率を年齢ごとに足し合わせた値を、有配偶出生率としてこの記事では紹介します。
合計特殊出生率は1.75(1980年)から1.26(2020年)へと減少していることがわかります。それに対して、有配偶出生率は1.08(1980年)から1.74(2015年)へと上昇しています。データを見る限り、結婚後に持つ子どもの数は減っていません。少子化の主な要因は結婚に至るカップルが少なくなったことだと考えられてきたのです。

  1. 合計有配偶出生率の数値が正しくない(計算間違いしている)

  2. 各年齢の有配偶出生率を合計して比較することに意味がない

意味がないことは下のグラフを見れば分かる。

厚生労働省, 国立社会保障・人口問題研究所
厚生労働省, 国立社会保障・人口問題研究所

若い年齢層の有配偶出生率が高いのはデキ婚が多いためである。分母を各年齢の女の総数にすると出生率は低いが、有配偶になった女だけにすると出生率は高くなる。1980年に比べて2015年が高くなっているのは、「未婚の母」からデキ婚へのシフトが進んだためと見られる。

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