消費支出に回らなかった10万円の給付金

結果論かもしれないが、この野口悠紀雄の分析は概ね妥当と言える。

つまり、「収入が減って貯蓄を取り崩さざるを得なくなった」というような状況ではなかったのだ。
上記のような結果になったのは給付金以外の収入がほとんど減らなかったからだ。
収入が減っていないところに給付金が与えられたのだから、これは過剰なものだったと言わざるを得ない。

10万円を使い切ったつもりでも、外食や旅行や付き合い等が減ったために、結果的に貯蓄を純増させた世帯が多かったことになる。「過剰なものだった」は特に収入が多い世帯に当てはまる。

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消費支出が大幅に減ったのは、収入が減ったからではなく、消費の機会が減ったからなので、打撃を受けた一部のセクターに経済支援を集中させた方が費用対効果は高かったはずである。

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(「その他」の大幅減少は交際費の減少の寄与が大きい。)

経済的に追い込まれた人がそれほど多くないのなら、生活保護の受給者数が増えなくて当然である。

雇用者報酬(季節調整系列)もQ1からQ2に急減したものの、Q3からは回復に転じており、リーマンショック後とは展開が異なる。

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現時点で「もう一度全国民に10万円を支給」の必要がないことは明らかと言える。

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