少子化対策のFACTFULNESS
日本の低出生率の原因は家計の所得環境の悪化や女の育児と稼得労働の両立の困難さだという通説がdie-hardなので、そうではないことを海外のデータで示す。
シンガポール
通説が正しくないことを示す好例がシンガポールで、著しい経済成長と政府の手厚い結婚・出産・育児支援にもかかわらず、中国系とインド系の合計出生率(Total Fertility Rate)は1.0前後で低迷している。
北欧
「女の育児と稼得労働の両立→高出生率」を実証するとされてきた北欧諸国だが、そうではなかったことが明らかになりつつある。
イスラエル
先進国の中で際立って高出生率のイスラエルだが、宗教によって大きな差がある。近年ではユダヤ教とイスラム教は約3だが、キリスト教とドルーズ派は約2、無宗教等は2を下回り続けている。
ユダヤ教では信心が強いほど出生率が高い傾向が見られる。
アメリカ
アメリカの人種別の出生率も、経済的以外の要因の影響力が大きいことを示している。
下図はアメリカの各州を2017年の白人のTFRの順に並べたもので、2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝った州は青、ドナルド・トランプが勝った州は赤に色分けしている。一目瞭然だが、赤い州は高く、青い州は低い(ワシントンDCはわずか1.0)。
伝統的規範からの解放(→リベラル化)が世界共通の出生率低下要因ということである。
「合意特殊出生率の0.5%の差」から人口統計の基礎知識を欠いていることが丸分かり👆。
《本文は以上です。有料設定はサポート機能の補完です。》
ここから先は
0字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?