"プログラマーが「男性の仕事」になった本当の理由"のウソ

バカすぎて話にならない内容だが、このバカ本が海外ではベストセラーになり、昔は管理職のおじさん向け雑誌だったプレジデントが執拗に推していることは、フェミニズム汚染の深刻さを物語っている。

この件については複数回記事にしているが、改めて取り上げる。

「残念なことに、超一流の女性ハッカーには会ったためしがない」。彼はこう書いている。「その理由は誰にもわからない」
さあ、どうしてかな、スティーブン。ここはひとつ当てずっぽうで考えてみようか。

その理由は超一流のハッカーには高度なシステム化能力(→アルゴリズム)が必要であり、その分布は男>女だからである(Simon Baron-Cohen)。囲碁や将棋やチェスのプロや、超一流の物理学者が男だらけになるのと同じ理由である。

彼の仲間の女性教師が指摘したとおり、極端な行動に表れていないからといって、女子生徒がコンピューターサイエンスを好きではないとは言えないはずだ。実際、その女性教師は自分の学生時代を振り返って、「大学に入って最初の授業でプログラミングに夢中になった」と語った。でも徹夜はしなかったし、大部分の時間をプログラミングに費やすこともなかった。

イチローが毎日バッティングセンターに通っていたように、超一流になる人の多くが子供の頃から極端な行動をとっている。「好きこそ物の上手なれ」で、極端な行動に表れるほど好きな人はそうでない人よりも超一流になりやすくて当然である(素質+努力)。

コンピューターサイエンスへの適性について、典型的な男性の行動を当てはめようとするのも妙な話だ。じつは、かつて女性たちは元祖「コンピューター」として、軍隊で複雑な計算を行っていた。その後、機械のコンピューターが登場して、女性たちに取って代わったのだ。
おもに男性がコンピューター関連の仕事をするようになったのは、それから何年も後のことだ。1946年に登場した世界初の電子計算機、ENIACのプログラミングを行ったのは6名の女性だった。
1940年代から50年代において、プログラミング業務を担当していたのは女性たちだったのだ。

女の「コンピューター」たちは主に男が作成した解法の「テーブル」に従って複雑な計算を行っていた。電子計算機を開発したのも男たちである。

Before electronic computers existed, an applied mathematician would create models providing a general solution to a problem, which were published in large books called tables.
‘Computers’ (at the time, a job title) would then use these tables and perform arithmetic operations to generate accurate results.
The role of computer was largely considered to be a clerical job and was often assigned to women, especially during the war when many men had been enlisted.

「プログラミング業務を担当していたのは女性たちだった」のは「高い技術を必要としない事務仕事と考えられていた」からである。

かつて、プログラミングは高い技術を必要としない事務仕事と考えられていた。だがちょうどそのころ、企業側もプログラミングの重要性に気づき始めた。タイピングやファイリングとはちがって、プログラミングには高度な問題解決能力が求められる。

仕事が高度化すると能力と意欲に欠ける人が脱落して集団の人員構成に偏りが生じる。マラソンが高速化すると東アフリカ系黒人だらけになったように、プログラマーも男が多くなったわけである。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)による最近の研究では、雇用におけるクオータ制[一定数を女性に割り当てる制度]はよくある誤解とは正反対に、「不適任の女性の採用を助長することはなく、むしろ能力のない男性を除外する」のに役立っていることが明らかになった。

「最近の研究」とはこれ👇のことだと思われるが、これはスウェーデンの社会民主党の候補者選びについてのもので、一般のプログラマー職に当てはめるには無理がある。

Quotas actually increased the competence of politicians by leading to the displacement of mediocre men whether as candidates or leaders. The results may also be relevant for judging gender quotas in business.

そもそも、企業が男のプログラマーを多く雇うのは、応募者の多くが男だからで、ほぼ同数の候補者のプールから男を選別しているわけではない。応募者数が男>女なのは、これ👇の反映である。

「コンピューターが好きでたまらない男子なら、いくらでもいるんですがね」。彼は考えあぐねて言った。「うちの息子はほうっておけば、きっと一晩中プログラミングをしているでしょう、と何人もの親御さんが言っていました。でも、女子でそういうケースはありません」

コンピュータに熱中する子供の人数は男>女

高等教育でICT関連を専攻する人数も男>女

職業としてICT関連を選ぶ人数も男>女

企業が雇うICTエンジニアの人数も男>女

このパターンは男女の機会が平等になるほど鮮明になってくる。機会が平等になると結果の違いは生得的な資質の違い(と運)によって決まるからである。鉄オタが男だらけなのも同じ資質が関係している。これ👇の逆である。

スウェーデンではICT関連職種の79%(2018年)、フィンランド(2018年)とノルウェー(2020年)でも78%は男である。高等教育機関でICT関連を専攻する学生の7割以上も男である。

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この著者はフェミの典型で、彼らが「知的に高度な職業」とプラスのイメージを持つICT産業には女に下駄を履かせるクォータを要求するが、ICT以上に「男性の仕事」の土建業鉱業漁業の現場仕事には一切要求しない。保育など幼児相手の仕事や、女の体に触れる仕事に男を増やせとも主張しない。

世の中が自分の思い通りになるまで「差別」と喚き散らして男に解決を強要する悪質クレーマーがフェミニストである。

付録

白人至上主義者を批判しても批判者が白人全体を差別・嫌悪しているとは思われないが、フェミニストを批判すると女全体を差別・嫌悪していることにされてしまう。この違いは女の共感能力の高さが一因になっていると考えられる。

Simon Baron-Cohen説では男のsystemizingに対して女はempathizingだが、この同調性・共鳴性の高さは、

男がフェミニストを批判する

他の女が自分が男に批判されたように感じる

男への反発心が生じる

フェミ化する

にもつながると考えられる。この感染力の強さがフェミニズムの封じ込めが極めて困難な一因である。

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