明石市前市長「国と地方の歳出の半分は無駄」

明石市の泉前市長(収録時は現職)が対談で「国と地方の歳出の半分は無駄」と発言しているので、それが本当かどうかを考えるためのデータを示す。

👇は2019年度と2021年度の国と地方の目的別歳出純計(公債費を除く)をツリーマップにしたもの。2021年度は新型コロナウイルス感染症対策のために衛生費と商工費が増えている。

総務省「地方財政白書」|公債費を除く
総務省「地方財政白書」|公債費を除く

泉前市長は民生費(児童福祉費、社会福祉費、老人福祉費、生活保護費、年金関係費等)と教育費は「無駄」に含まれないと考えているようだが、この二つで2019年度は51%、2021年度は45%を占めるので、残りのすべてをゼロにしても無問題ということになる。

常識で考えればあり得ない話であり、一事が万事、他の発言内容の信憑性も疑ってかかるべきだが、コメント欄では絶賛されている。日本のネット民の知的レベルはその程度ということだろう。

たとえば、「偽りの事実(false facts)」や「ポスト真実の政治(post-truth politics)」といった現代社会における現象を考えてみよう。こういった現象がはびこると、人々は公の場で口から出まかせを言ってもまったくお構いなしといった態度をとるようになる。

哲学がわかる 懐疑論』p.7

明石市議会の会議録から、令和4年第2回定例会12月議会(12月6日)における林健太議員と泉房穂市長のやり取り(No.239, No.255~)を読むことをお勧めする。

付録

暴言・誇大宣伝・虚偽宣伝を連発する泉前市長が人気なのは、国民が政治をリアリティショーのように見るようになったためではないかと考えられる。キャラが立った主役が民を苦しめる悪役(抵抗勢力、既得権者)を粉砕し、民に恵みをもたらす快刀乱麻のパフォーマンスが受けるのだろう。

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