政府の赤字に対応するもの(あるいはその構造的原因)
これをもう少し詳しく言うと、
企業が資金不足(赤字)から資金余剰(黒字)に転換
企業のプラス方向の変化が政府の赤字拡大と家計の黒字縮小のマイナス方向の変化によって相殺
になる。赤字/黒字は純借入/純貸出の意味で損/益ではないことに注意。
企業の資金余剰について詳しく見ると、1990年代後半~2000年代前半は負債の縮小(デレバレッジ、バランスシート調整)に充てられ、
2000年代後半以降は金融資産の現預金と対外直接投資の積み上げに充てられている。
現預金と対外直接投資が世界金融危機後に景気に関係なく急増を続けていることは、構造的な原因の存在を示唆している。
バブル崩壊後、その他の金融資産はほとんど増えていない。
反緊縮派は均衡志向の財政スタンスが「因」、企業の資金余剰が「果」と主張しているが、因果関係はその逆で、企業の「国内市場の量的拡大が見込めない中での生き残り/高投資利益率追求」が賃金と設備投資の抑制→高水準のキャッシュフロー→家計の資金余剰縮小と政府の赤字を生み出している。
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