ノルウェーの出生率が1.48に低下

ノルウェー統計局によると、2020年のtotal fertility rateは前年比-0.05ポイントの1.48となった(うち移民は1.68)。新型コロナウイルス感染症(→ロックダウン)の影響はほとんどないと見られている。

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ピークの2009年の1.98からわずか11年で-0.5ポイントの急低下で、うち15-24歳が-0.2ポイント、25-29歳が-0.2ポイント、30-34歳が-0.1ポイント、35歳以上は横ばいである。

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第一子出生の平均年齢は30歳に迫っているが、これが3人以上産む女の減少につながっている。

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TFRの低下は①and/or②に分解できる。

①Tempo効果:産む時期が遅くなる
②Quantum効果:最終的に産む子の数が減る

①だけであれば低下は一時的でいずれ元の水準に戻るが、②も寄与していると戻り幅は小さくなる。結果が確定するのはまだまだ先だが、フィンランドなども参考にすると、①だけではなく②も寄与している可能性大である。低下の主因が若者の経済苦ではないこともほぼ確実である。

High welfare payments and heavily subsidised health care also help when it comes to pitting Norwegian millennials' prospects against those elsewhere in Europe. Unemployment benefits are generous: allowing many people to claim around 60% of their previous salary for two years, while they are looking for new work. As in all the Nordic countries, low childcare costs and a general parental leave system also ensure a high participation of women in the workforce.

ノルウェーの出生率低下は、手厚い育児支援とワーク・ライフ・バランス重視の北欧モデルが少子化対策として有効ではないことを示している。

よくフランスや北欧が「理想郷」みたいに語られますよね。子育てに関する社会保障が充実していて、長時間労働がないのでみんながワークライフバランスを実現できてる、みたいな。
でも、あれって、「みんなが結婚して子どもを産むこと」に最適化した社会なんです。

ノルウェーが「みんなが結婚して子どもを産むこと」に最適化した社会ではないことも、男の約1/4が生涯無子になることが示している。「北欧は理想郷」というイメージには大規模なアップデートが必要である。

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(横軸は出生年、縦軸は45歳時点で無子の割合)

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2020年の出生数の1/7は母が移民系(ヨーロッパ・北アメリカを除く)。


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