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過去最低の出生率は社会の進歩(女の解放)の結果なので前向きに受け止めよう

2023年の合計出生率が統計開始以来最低の1.20になったわけだが、一つ前の記事に示したように、これは女が結婚・妊娠・出産・育児に制約されない自由で解放された人生を送れるようになったことと表裏の関係なので、現代のリベラルな価値観に基づくなら「サクセスストーリー」と受け止めるべきであろう。女の潜在的願望である劣等な(稼げない、モテない)男の遺伝子を淘汰できるというメリットもある。

厚生労働省「人口動態統計」
厚生労働省「人口動態統計」

二人目、三人目が産めないから出生率が下がっているわけではない。

厚生労働省「人口動態統計」

TFRの低下は主として20代の出生率の低下による。

厚生労働省「人口動態統計」
国立社会保障・人口問題研究所

👇はエセやニワカではない本物の専門家の見解。

現在の日本が経験している人口減少は歴史的な人口転換の帰結であり、先進国を中心に世界に多くの国々も遅かれ早かれ同じ道を歩むと考えてよい。したがって、この人口減少は日本だけの特殊な事情によるものではなく、前代未聞の「国難」といった国粋主義的で排他的な捉え方をすべきではない。また政府の失敗や誰かの陰謀によるものでもない。出生力の低下についても、晩婚晩産化/非婚無子化などの責任を若い世代に求めるべきではなく、直系家族制の伝統の衰退や、フェミニズムやジェンダーフリー的な社会的傾向など、様々な犯人探しを行ったとしても有効な対策には結びつかない。
基本的には、長年にわたり人類が進歩し豊かになり、平均寿命が延び長寿化する一方、結婚・出産あるいは移動に関わる個人の選択の自由が拡大してきた結果であり、そのこと自体は喜ぶべきことであり、今後も、この流れを止めるべきではないだろう。したがって、最終的には人類社会が個人の自由を最大限に尊重しつつ、社会全体の出生・死亡・移動などをコントロールして人口全体を定常状態に保つようにするしかない。

サピエンス減少』ⅳ~ⅴ

👇はローマ帝国の話。歴史が繰り返されるのは人間の本性だから。

国が安定し生活が豊かになるにつれ、富裕層を中心に、子を産み家を存続させるという伝統的な規範よりも快楽が優先されるようになった。こうした社会全体の性的モラルの低下を受け、女性たちも自由な性愛を楽しむようになり、出産や子育てを避ける風潮がうまれる。そこで初代皇帝アウグストゥスによって、妻の不義密通を重罪とする法律「ユリウス姦通罪・婚外交渉罪法」が制定された。

古代ローマ解剖図鑑』p.138


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