反緊縮派の疑問を解決

Q.

石塚先生がいま思索中の話と多少ずれるのかもしれませんが、世界各国の経済成長（名目・実質）、物価変動は、貨幣の流通量というより各国の政府支出と意外なほど単純な相関関係があり、いまそれがなぜなのかを何人かの方々が（私も）考えているところです。何か説明できるような仕組みはないものかと。 pic.twitter.com/VpK0HpVVDt

— シェイブテイル (@shavetail) December 21, 2021

A.

政府が民間部門の経済活動を圧迫せずに支出する能力は経済規模にほぼ比例するので、政府は名目GDPの予測値に基づいて支出額を決める。これが続くと中期では"政府支出∝名目GDP"、"政府支出伸び率≒名目GDP伸び率"となるので、各国の値を散布図にプロットすると、原点を通る傾き1の直線の周辺に集まり、相関係数は1に近くなる。

なぜこのような簡単なことが分からないのか不思議である。

条件が異なる国々でもリーマンショックのような経済ショック時を除く平時ではほぼ傾き45度の近似線上に並びますね。 https://t.co/Vp67756JHF pic.twitter.com/ul7RCBbQj1

— シェイブテイル (@shavetail) December 12, 2021

これも非常に大切な資料ですね。
しかし、これで説明できるのは関連の特異性です。
関連の時間性を説明するのはかなり難しく、要は「名目GDPが伸びたから歳出も増えた」可能性を否定することです
これを証明するには数カ国を2群にわけて政府支出を年率2%と5%伸ばした群に分けて比較するしかありません

— はまさん (@hamakeikei) December 12, 2021

ただ、医学の世界で後ろ向き研究で相関係数0.9越えの事例が来たら、相関係数が強すぎて前向き研究は倫理委員会が通らなくなりますね。

— はまさん (@hamakeikei) December 12, 2021

"税収∝名目GDP"でもあるので、横軸を税収にしても同じようなグラフになる。