円安と輸出数量

この記事👇のグラフは期間が短いのでより長期のものを示す。

その前に、実質実効為替レートは変動相場制移行後の最低水準まで円安が進んでいる。

BISより作成

2000年以降の輸出数量は以下の通り。リーマンショック(世界金融危機)で急減→リバウンド→東日本大震災で終了→その後は横ばいが続いている。

財務省「貿易統計」より作成

2002~2007年は円安で輸出数量が増えていたように見えるが、そうではなく、中国経済の急成長に伴う中国向けの急増によるものだった。米欧向けは世界金融危機で急減した後もほとんど回復していない。

財務省「貿易統計」より作成

通貨安→輸出増になっていないのは対外直接投資と海外生産が増えたためである。円安になれば国内回帰するというような単純なものではない。

ところで、記事の冒頭にはこのようにあるが、円安→円換算額の増加は常識ではないのか。

異次元緩和で円高から円安へと流れを変えたアベノミクスの期間にも、円安は輸出数量を増やさなかった。それにもかかわらず、企業の利益は増えた。
なぜ、こうした不思議なことが起きるのか?

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