岸田降ろし「改革を止めるな」

岸田首相の就任早々、グローバリスト(Anywheres)による岸田降ろしが強まっている。

この記事は意図的なのかそれとも分析力が欠如しているのかは不明だが、的外れな内容に終始している。

岸田を勝利に導いた要因は、その無害さにあるようだ。岸田は船を揺らすことも、波風を立てることもないだろう。その勝利は、現状維持を重視する党の体制によってもたらされたものだ。
The trait that propelled Mr Kishida to victory appears to be his inoffensiveness. His victory was engineered by a party establishment that cherishes the status quo. He is unlikely to rock the boat—and just as unlikely to make waves.

岸田首相は約20年間続いている小泉改革路線(←国民が熱狂的に支持)の転換を目指しているので、現状維持とは正反対になる。本当に実行するとすれば「船を揺らすことも、波風を立てることもない」はずがなく、改革で利益を得てきた人々(≒レントシーカー)にとっては有害な存在になり得る。

日本は、ポピュリズムや極端な党派性など、豊かな民主主義国が抱える最悪の病理のいくつかを回避してきた。
Japan has avoided some of the worst pathologies of rich democracies, such as populism and extreme partisanship.

これは西洋人にありがちな杓子定規な見方で、日本では「改革」がポピュリズムで、改革派と反改革派(抵抗勢力)の党派対立が基軸となっている。

エコノミストの記事は「小泉改革以降の新自由主義的政策の転換」という最重要ポイントを完全に無視しているが、それはグローバル投資家勢力の既得権益の侵害につながるからだろう。

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