政治の男女平等で得するストロングマン

男女平等先進国としてリベラルから称賛されているのが1994年に大虐殺があったルワンダで、World Economic ForumのGlobal Gender Gap Index(2020)では9位と、121位の日本を大きく上回っている。

項目別のルワンダと日本の順位は

Economic participation and opportunity:79位|115位
Educational attainment:114位|91位
Health and survival:90位|40位
Political empowerment:4位|144位

で、政治分野に最大の違いがある。

GGGIは「社会のヒエラルヒーの上位に占める女の割合」を重視した指数だが、ルワンダは経済分野と政治分野に開きがある。

Legislators, senior officials and managers:135位(14.1%)
Professional and technical workers:115位(38.7%)

Women in parliament:1位(61.3%)
Women in ministerial positions:1位(51.9%)

経済分野≒民間部門では専門職・管理職の女が少ないにもかかわらず、議員や大臣の過半数が女であることは、下駄を履かせてもらった女の政治家が少なくないことを示唆している。

一般論だが、このような状況は最高権力者の男にとっては都合がよい。女は男に比べると「競争に勝ち抜いて頂点に立ちたい」という欲望が強くないので、女を増やすことは自分の地位を脅かす挑戦者(主に男)を減らすことにつながるからである。女はストロングマンへの挑戦者ではなく親衛隊になりがちである。

我々は、カリスマ性を備えた独裁者志望の人物が選挙に勝って権力を握る時代を生きている。彼は――そうした人物はほぼ常に男性だ――恐怖と怒りを利用した政治を行う。
今日では、選挙で選ばれた「ストロングマン(強権的な指導者)」やその志望者が世界中に見受けられる。

実際、ルワンダでは2000年に就任したカガメ大統領の一強支配が続いている。2017年の大統領選挙の得票率は98.8%で、憲法改正によって2034年まで大統領を務めることが可能になっている。

この権力構造はヒトの近縁の動物に見られるが、フェミニズムが人間社会を的なものへと退行させるものであることを示唆しているようである。フェミニズムの核にあるのは「強い男を求め、弱い男を排斥する」女の本性なので必然的ではある(女のエゴ≒猿的本能)。

考えてみたら女は昔からエゴイストだったのではなかろうか。それがいろいろな事情でおさえられてきただけなのだが、そのおさえが、このところはずれただけなのかもしれない。


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