国民が評価する政治家

昨年5月の記事だが、今読み返すと面白い。

毎日新聞と社会調査研究センターが5月6日に実施した全国世論調査によると、新型コロナウイルス問題への対応で「最も評価している政治家」の項目は面白い結果だった。
1位は圧倒的な支持を得て、吉村洋文・大阪府知事。2位は小池百合子東京都知事、3位は安倍晋三首相、4位は北海道の鈴木直道知事、という順位であった。
この難局に際し、積極的にリーダーシップを振るった人物が国民から評価されていることは間違いない。
危機において名を上げる人々の特徴は「逆境に強い」ということが言えるかもしれない。
危機の中で求められる人材は、国民の苦渋を知り、逆境に強く、実務能力がある人物だ。現在の閣僚の中で、その条件に当てはまる人物は菅官房長官だけある。

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日本人の多くが政治家に求めているのは「改革」なので、実際の行政手腕よりも改革のイメージ作りに長けた政治家が跋扈するようになる。「改革」の重要な要素は公務員叩きと歳出削減なので、改革派の政治家が増えるほど行政部門の危機対応能力は低下し、行政によって救われない「棄民」も増える。

付録①

自民党は保守政党で、野党である立憲民主党や共産党などは進歩政党というのが日本既成世代の常識だ。だが、大学生は各政党が持っている理念志向に対して明確な判断基準を持っていないことが分かった。相当数の学生が共産党など野党を「保守」と認識し、さらに極右志向の「日本維新の会」を革新政党ととらえる者もいた。

守旧派(抵抗勢力)の「旧い自民党」は保守政党と言えないこともないが、改革派の「新しい自民党」はネオリベラルなので広義のリベラル≒革新政党になる。

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維新は「新しい自民党」の別動隊なので「革新政党ととらえる」大学生が正しく、極右に見える専門家の目が節穴である。

付録②

日本では戦争・軍事の否定(九条的平和主義)が左・革新、現実路線が右・保守とされてきたので維新や安倍前首相を保守・極右と誤認する人が少なくないが、ソ連が軍事超大国だったように、軍事へのスタンスは本来、左右とは関係ない。安倍前首相の「日本をリセットして一変させる」のような理念に基づく急進的な社会改造へのスタンスが本質的な違いである。

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