子育て支援と出生率

子育て支援が充実している自治体の出生率が高いからといって、それを全国に拡大しても日本全体の出生率が目覚ましく上がるわけではない。

「出生率1.8」1割が達成　144市町村、子育てに安心感https://t.co/lZtn2dF8rw

— 日本経済新聞 電子版（日経電子版） (@nikkei) June 18, 2021

合計特殊出生率とは　1.8を下回る状態続く（きょうのことば） https://t.co/CPpFjS8R4C

— 日本経済新聞 電子版（日経電子版） (@nikkei) June 19, 2021

出生率が上がるのは、産む予定がある人（≒夫婦）が転入してくるからである。転出元の市町村の出生は減るので、日本全体での出生増の効果は小さなものになる。

出生率低下の主因は未婚率（特に妊娠・出産に適した20代）の上昇なので、育児支援を拡充しても、出生増の効果は限定的になる。

家族向け公的給付が手厚い北欧諸国のTFRが日本の「希望出生率1.8」を下回っていることからも、子育て支援拡充が有効な少子化対策ではないことが分かる。

付録：東京23区の出生率の推移

2000年代半ばから、都心3区の出生率が上昇して23区の中でも上位になっている。タワーマンション効果と見られる。