ただの紙切れの1万円札に価値がある理由
意識高い系の国会議員がカルトに引っ掛かったようである。
「MMT 現代貨幣理論とは何か/井上智洋」を読みました。簡潔で分かりやすい面白い本でした。#今日の読書 pic.twitter.com/Pq2wisa5kA
— 須藤元気 Genki Sudo (@genki_sudo) December 25, 2019
1万円札というのはただの紙切れで、
— 須藤元気 Genki Sudo (@genki_sudo) December 27, 2019
日本銀行が1万円と印字しているから価値があるに過ぎないんですね。因みに1万円の一枚発行コストは20円だそうです。血税を絞りとって返済する必要は必ずしもない。ふむ。
株券(現在は電子化されたので紙切れではなくなっているが)に価値があるのは、その企業が将来に稼ぎ出すキャッシュフロー(稼ぐ力)に裏付けられているからである。同様に、銀行預金に価値があるのも銀行の資産(貸出や有価証券)の「稼ぐ力」に裏付けられているからであり、中央銀行券に価値があるのも中央銀行の資産(国債や外貨等)に裏付けられているからである。
日本銀行が発行するマネー(銀行券と当座預金)の主な裏付け資産は国債だが、国債に価値があるのは、日本国政府は日本で活動する法人・個人の稼ぎの一部を徴収する権能=徴税権=稼ぐ力を持っているためである。従って、日本国債と円の価値を究極的に裏付けているのは日本経済の財・サービス生産力ということになる。
経済の生産力→徴税力→国債→通貨
株式では、企業の収益力が低下したり、大量に新株を発行して希薄化すると価値(株価)は下落するが、通貨も、生産力や徴税力が損なわれたり、生産力に比べて過剰に発行されると、たとえ「日本銀行が1万円と印字」していても、実質的な価値=購買力はインフレによって目減りしてしまう。
別に難しい話ではない。
MMTでは法定通貨の価値は納税手段とされることによって生じるが、現実はそうではなく、経済の生産力と国家の徴税力が通貨価値を保証している。
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