従軍慰安婦の次は「弥助」

弥助の史実からの乖離は坂本龍馬のように日本人の間だけで楽しんでいるのであれば許容範囲だったのだが、残念ながら吉田清治の従軍慰安婦のように、外国勢力による日本史の改変(日本下げ)の材料にされてしまった。

👇は公式サイトからだが、黒人が"free Japan from its oppressors"するというシナリオはポリコレの世界観を反映したものと考えられる。

As the charismatic samurai Yasuke, strike your foes with brutal precision and power. Use his combat-oriented skills to attack, block, parry, and defeat your enemies. Master the vast arsenal of weapons at your disposal – featuring katana, kanabo, bows, naginata, and more – to free Japan from its oppressors.

https://www.ubisoft.com/en-us/game/assassins-creed/shadows

弥助の「伝説の侍」化については👇で指摘されているが、

この👇人物が創作した弥助像とエピソードが吉田清治の従軍慰安婦のように「歴史の真実」として海外に広がっている。

Togetterには『信長と弥助』が「学術書」だとあるがそうではない。第一章と第七章は空想に空想を重ねた創作小説で、第二章~第六章も憶測だらけで一般向け歴史書としても通用しない低レベルな内容である。

第一章のこれまでの部分は、本書のその他の部分とは異なり物語形式で綴っている。この形式を選んだのは、弥助の逸話が、まさに“事実は小説より奇なり”を地で行くような、現実離れした冒険譚に感じられたからだ。

p.12

司馬遼太郎の坂本龍馬を超える創作のオンパレードである。

信長が弥助のことを異国情緒を感じさせる飾り物――肉体的にも、知的にも、おそらく性的対象としても――として見ていたことはほぼ確実である。

p.96

弥助と、信長のお気に入りの小姓、森蘭丸は信長の寝所の中、主君のそばで眠っていたことだろう。毛利氏との戦に出陣する前に情熱の一夜を愉しんだのかもしれない。

p.36

蘭丸が主君の首を切り落とすと、次に弥助が蘭丸のために同じことを行なったことだろう。その後、ようやく弥助は脱出の準備を始めた。それは信長の最後の命令――「我が首と刀をけっして敵の手に渡してはならぬ」――を遂げることでもあった。首級が敵の手に落ちて晒される冒涜を避けるため、信長は己の首を、できれば遺体とともにここから持ち出すよう弥助に命じていた。

p.39

この👇ように、ロックリーは弥助が単なる小姓で「伝説の侍」ではなく、「事実は小説より奇なり」でもないことを十分に承知しているのだが、

ありのままの現実を見つめれば、弥助の役目は護衛であり、刀持ちであり、小姓にすぎなかった。後年、外国人侍となったウィリアム・アダムス、ジョアン・ロドリゲス、ヤン・ヨーステンのように政治的な役目を担っていたわけでもなく、信長の友人のような立場だったのだろう。弥助という存在の影響は、詳しくは第三章で論じるが、当時よりも現代のインターネット時代のほうが、よりその重要性を増すのかもしれない。

p.84

それよりも、インターネット上で注目された快感の中毒となり、どんどん創作活動にのめり込んでいったのではないか。日本史が専門ではないことも逸脱した大きな理由だろう。

弥助に関する最初の論文をインターネットに投稿したことをきっかけに、私は弥助に魅了された大勢の人々と交流する機会に恵まれた。世界のいたるところで、実に多彩な人々――映画製作チームのメンバー、ブラジル系アメリカ人の漫画家、イギリスやフランスの作家、学者など――が弥助の人生に深い感銘を受けたり、それに触発されて創作活動をしたりしているのだ。

p.98

従軍慰安婦は韓国人+リベラル白人だったが弥助は黒人+リベラル白人で、クレオパトラやハンニバルが黒人だったとするWOKE運動、アフロセントリズムに取り込まれている。なお、坂上田村麻呂も黒人とされている。

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