税のみが財源ではないは、財政の常識

原口議員が「税は財源ではない」と言っているが、そうではない。

遂に1人あたりのGDPで韓国にも抜かれた日本。税は財源ではない。日本は他国のATMではない。 https://t.co/vUXOEEyMR6

— 原口　一博 (@kharaguchi) April 20, 2024

「税は財源ではない」論では、政府は歳出の全額を通貨発行（いわゆる「輪転機を回す」）で賄っているとされる。なので、歳出の財源として税は不要で、財源不足になることもないが、一方的に供給し続けると市中に通貨が溢れて物価の高騰・通貨価値の毀損を招くので、余剰分を回収してそれを防止する。つまり、政府は

• 民間への通貨供給：通貨発行→歳出

• 民間からの通貨回収：徴税→通貨消却

を同時並行して行っていることになる。供給＝回収が財政均衡である。

しかし、民間から回収した通貨を消却していないとすれば話は全く違ってくる。回収されて国庫に入った通貨は貯めこまれるのではなく、歳出のために再度民間に供給され、その分、通貨の新規発行は減る。財政均衡または黒字では新規発行は停止され、歳出の全額が徴税によって賄われる。

このように、徴税によって回収した通貨を

• 消却する：財源は全額が通貨発行、徴税と借入は回収手段

• 消却しない：主な財源は税、不足分は借入または通貨発行で補充

のどちらの仕組みも可能だが、現実の財政・通貨制度は「消却しない」というロジックで運営されているので、税は主たる財源になっている。「税は財源ではない」は、徴税後に通貨を消却するという設定を導入して創られたフィクションである。

「税は財源」は「税のみが財源」「事前に徴税しないと歳出できない」という意味ではなく、原口議員もそのような考えのようなので、一体何にこだわっているのかよく分からない。

「税が政府の財源である」は、勘違い。
そのとおりです。
皆様から集めた税がプールされていて、その税のプールだけから「歳出」されるわけでもありません。 https://t.co/x4LSGQhchQ

— 原口　一博 (@kharaguchi) October 25, 2021

世界には、税を「財政の財源」としない国もあるので驚きます。
　「財政の財源の一部」として税を組み入れている国もありますが、その国でも税は、財源の全てではありませんね。
ナイフさんがご指摘のように引かれては、理解が深まりません。
　「徴税」する理由についてもいつかspaceで話しを。 https://t.co/wov34PgdRt

— 原口　一博 (@kharaguchi) October 29, 2022

質問、ありがとうございます。恐れ入りますがあなたの3つの主張が「邪推」もしくは誤った知識による推論だと思います。悪意によるレッテル貼りとは思っていませんのでご安心ください。

政治家でも同じような間違いをしている人がいるので一般の方ですから気分を害されないようにお願いします。… https://t.co/Qz540VWFzC pic.twitter.com/4hBw1lFMgl

— 原口　一博 (@kharaguchi) November 27, 2023

3.陰謀論を丸呑みして税は財源ではないと思っている。
税のみが財源ではないは、財政の常識。それを陰謀論と切り捨てるところは邪推という言葉だけでは足りない。
財源プール論に今ごろ立脚して消費税減税を批判する方は、この頃、随分と減りましたが。

補足

「税は財源ではない」論とは、「徴税は継続的歳出のためには不可欠だが、個々の歳出には必要ではない（そもそも財源ではないので）」と表現できるが、屁理屈というか言葉遊びというかで、建設的な主張ではない。

「インフレ率と国債金利は依然として歴史的には低い→政府の借入余地はまだある→財政健全化は時期尚早」と主張すればよいだけである。