MMT信者の典型的反応

MMT信者の思考パターンがよくわかるので取り上げる。まずは二つの記事を読み比べてもらいたい。

(追加👇)

信者の特徴は、具体的な事例には言及せず、ひたすらMMTの教義を繰り返すことである。当方はMMTの根幹が事実に反する証拠として米日の財務省の行動と国庫金の推移を示したのだから、その解釈は間違いで実はMMTと整合的だと論証すればよいのだが、それができないのが信者である。

その「政府の支出は中央銀行の通貨発行(newly-created money)によって賄われるので事前の財源調達は不要、徴税と借入は財源調達ではなく市中から通貨を回収する手段」というのが本当のことであり、MMTのレンズを通すとこれまでとは全く違って見えるようになるという、まさにその通りなのだが。

これ👇でクリティカルヒットのつもりらしいが的外れで反駁になっていない。

国庫金は徴税や借入によって調達されるのならば、税を支払う者、国に金を貸す者は、どうやって金を調達したのか。自分のところに紙幣の印刷機など持っていまい。国(の機関である日銀)がもともと発行しなくてはならないではないか。

その政府の預金口座にあったもとの金は、誰がつくったのか。政府(の機関である日銀)以外に誰がそんなことできるのか。

これは「政府の支出は中央銀行の通貨発行(newly-created money)によって賄われる」の論拠になっていない。暴力団がみかじめ料を現金で徴収することは、暴力団が現金をもともと発行していたことを意味しない。現金商売の民間業者の金庫にある銀行券も中央銀行がつくったものだが、その業者の支出はその都度の中央銀行の通貨発行によって賄われていない(政府は「巨大な現金商売の業者」のようなもの)。より詳しくは👇の後半を参照。

中央銀行は政府の支出とは無関係に通貨を発行できるので、政府が先に支出しなくても、国民は納税に用いる通貨を入手できる。従って、「政府が先に通貨を支出しない限り、民間部門は税金を納めることも、国債を購入することも論理的に不可能である」というMMTの説明は明明白白な誤りである。

文末のこれ👇は何を言いたいのか意味不明である。「日本銀行の資本金の55%は政府の出資→日銀は政府の子会社(国の機関)」と言いたいのかもしれないがそうではない。

こんなに頭のいい人でも紙幣に書いてある「日本銀行券」の文字が読めないのは意外である。なお、「政府=日銀ではない」という苦しい言い訳(というか嘘)はもう結構。

子会社であるためには意思決定機関が政府に支配されていなければならないが、日銀の最高意思決定機関の政策委員会が開催する金融政策決定会合では政府の代表者は意見を述べる/議案を提出する/議決の延期を求めることができるだけで、意思決定は支配できない。中央銀行は政府と密接なかかわりを持つが、一心同体の機関ではない。「政府=日銀ではない」は苦しい言い訳でも嘘でもなく単なる事実である。

MMTの「政府と中央銀行は一体(統合政府)」は論点先取の虚偽

トンデモ医療にはまる人はそもそも標準医療をよく知らないが、MMTの信者も同じである。まずは現行制度の仕組みを理解することをお勧めする(聞く耳を持たないだろうが)。

病院に来る前に、効果が期待できない「トンデモ医療」を信じ込んでしまった患者さんの中には、もう病院に来てくれなくなってしまう方もいます。なぜなら、「トンデモ医療」を提供する人たちは、病院での治療法(標準治療)のことを悪く言うことで、自分たちの治療法を信じさせようとすることが多いからです。

MMTの教祖の言動は「トンデモ医療」を提供する人たちとよく似ている。

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