WOKEとMATRIX

英語圏のリベラルの若者の攻撃的行動を理解するために必須の概念が"woke"である。

その理解に役立つのが映画『マトリックス』で、支配者をコンピュータからStraight White Male(白人の異性愛の男)に置き換えたものがwokeしたリベラルの世界観になる。

CORNISH: The answer turned out to be a pop culture phenomenon - a sci-fi thriller in which a hacker named Neo, played by Keanu Reeves, has an awakening. He discovers his seemingly normal world is a computer simulation. Laurence Fishburne's character Morpheus explains it.

LAURENCE FISHBURNE: (As Morpheus) The matrix is everywhere. It is all around us even now in this very room. You can see it when you look out your window or when you turn on your television.

ネオがred pillを飲んで覚醒したように、白人異性愛男の支配構造を打倒するために立ち上がることがwokeである。

彼らが寛容を唱える一方で極めて攻撃的なのは、「誰もが仲良くて、協力しあい、自由で平和に生きていける社会」を実現するためには、リベラルに従わない「異教徒」を殲滅する必要があるからである。

左派は存在する限りずっと誰もが仲良くて、協力しあい、自由で平和に生きていける社会を追求してきたのだ。

ここにあるのは共存の思想ではない。異教徒による「汚染」の「浄化」という排斥の思想である。「聖地」エルサレムの聖性を貫くために、汚染された異教徒を「浄化」しなければならないという想念が、ここに見出される。これが「平和」を求める参加者たちの琴線に触れたのは確かだろう。

リベラル十字軍戦士のSocial Justice Warriorsに白人が多いのは、その本質が宗教的な「贖罪」だからである。

十字軍の本質は「贖罪」であり、その目的地は聖地に限定されず(聖地十字軍と非聖地十字軍の同等性)、それは連続性を持つ運動であった。贖罪、より正確に言うとローマ・カトリック教皇の認める贖罪である十字軍は、根本的に宗教・信仰とは不可分のものであった。

リベラリズムは一種の宗教であり、その国教化によって「あたかもリセットボタンを押したように、日本を一変させる」ことが安倍前首相をはじめとするリベラル勢力の目標になる。

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