安倍元首相を回想「1人当たりGNIを10年で+150万円」
安倍元首相を追悼する代わりに、2013年6月5日の「成長戦略第3弾スピーチ」で表明した「1人当たり国民総所得を10年で+150万円」を振り返る。
GDP600兆円公約「言いっ放しは困る」 自民に見えぬ6年前の検証 野党も多い「意気込み」政策<参院選2022>https://t.co/YVQt1azY3E
— 東京新聞(TOKYO Web) (@tokyo_shimbun) June 24, 2022
+150万円は年率+3%で達成できるので荒唐無稽な目標だったわけではない。
GNI、国民総所得の一人当たり150万円増加というのは、3%の成長率を見込み、それから、人口減少がありますので、これを考慮して、一人当たりで計算した数字です。
10年平均の後半は高い成長が実現できると思っています。過去にもそうした目標を掲げてきました。
日本の基礎体力の可能性からすれば、決して高すぎる目標ではないと思います。実質成長率2%です。
2013年6月5日
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甘利大臣(当時)の「後半は高い成長」の予想に反して、2013~15年度は目標ペースで成長したものの、2016年度から遅れ始め、2020年度のコロナ危機で完全に脱落といったところである。
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3%成長が続かなかったのは、この期間の成長が就業者1人当たり実質GDPの増加(≒生産性の向上)に支えられたものではなかったためである。
![](https://assets.st-note.com/img/1664274833249-G5y5OVDLLk.png?width=1200)
2015年基準
世界大不況のために不稼働状態になったリソースを再稼働させて需給ギャップを埋める初期段階は高成長が可能だったが、労働市場がタイトになってくると就業者1人当たりの成長がないために、高成長が持続できなくなったわけである。
結局のところ、新型コロナウイルス感染症や二度の消費税率引き上げがなくても、日本再興は実現できなかったことは間違いないと言える。「日本の基礎体力」は想定よりも低かったのである。
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