ベンチャー資金調達額の男女差が意味するもの

アメリカでは、女が起業したスタートアップ企業のベンチャーキャピタルからの資金調達額は全体のわずか2~3%、男女共同でも10%程度に過ぎない。

Venture capital investment in all-female founding teams hit $3.3 billion in 2019, representing 2.8% of capital invested across the entire U.S. startup ecosystem this year, according to the latest data collected by PitchBook.
Three percent of global venture dollar volume was funneled toward female teams, Crunchbase said, and 10% toward teams of women and men.
Crunchbase data show that not only did total funding to female-led startups fall this year, but the proportion of dollars to female-only founders also declined, to 2.3 percent, compared to 2.8 percent in 2019.

ベンチャーキャピタルは儲かりさえすれば白人でも黒人でも、男でも女でも構わない「白猫黒猫」的な行動原理なので、女の資金調達の少なさは差別のためではなく、女の起業意欲や「大きいこと」を目指す意欲が男に比べて乏しいことを示している。

下の記事では女が失敗(→成功のもと)する機会を逸していると指摘しているが、女が失敗したがらないのは、

"Women are not raising as much as men, so they have fewer opportunities to fail. Failure is part of the story in the early lifecycle of an organization," says Kotska, 

「虎子を得るために虎穴に入る」リスクを冒すタイプの女は男に比べて少ないためである。

自分の目標を「現状を維持し物事をスムーズに進める機会」と見なしているからだ。ヒギンズが「予防焦点」と呼ぶこうした志向を持つ人は、何かに夢中になること、楽観すること、ミスを犯すこと、賭けに出ることを強く忌避する傾向がある。そうでない人々は「促進焦点」を持ち、自分の目標を「進歩を成し遂げいまより向上する機会」だと見なしており、成功した場合に得るものが大きければリスクを取ることをさほど厭わない(詳細は本誌2014年9月号論文「挑戦欲で動く人、責任感で動く人」を参照)。

それに加えて、成功するために必要なハードワークへの耐性にも男女差がある。Jordan Petersonが説明しているように、エリート同士の出世競争に勝ち抜いたり、ビジネスで大成功を収めるためには仕事中毒になる必要がある。しかし、そのような人のほとんどは少数の"insane"な男なので、社会のヒエラルヒーの上になるほど女の割合は小さくなる。Petersonが言うように、女が無理をしてまで上を目指さないこと自体は悪いことではない。Workのためにlifeを犠牲にする生き方が良いとは限らないからである。

Petersonの話にある、仕事一筋の生き方に疑問を感じ、家庭重視に転換して満足を得た女の実例。

ところで、この調達額の極端な男女差は、社会のヒエラルヒーの上層を男女同数にすることに無理があることを示している。上に行くほどリスクや責任や負荷は大きくなるが、その"skin in the game"に耐える資質と覚悟がある女は男に比べて圧倒的に少ないからである。数合わせ的に女を増やせば、玉ではなく石だらけになる可能性大である。

今回の発言の真意について「一般論として、女性の数だけを増やすのは考えものだということが言いたかった。女性を蔑視する意図はまったくない」と説明した。

注目された女の起業家といえばこの人物だが、

目が怖い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?