Forbesがなぜか本当のことを書く

ウクライナのキエフ政府と西側諸国の読者のために大本営発表を量産してきたForbesのDavid Axeが、日本の若手専門家が否定し続けてきた極右民族主義勢力(ロシアが言うところのネオナチ)のプレゼンスの大きさをあっさり認めている。

この地区を防衛する大変な任務を任させていたのが、第67旅団だった。第67旅団は、極右の政治団体「右派セクター」の一部門であるウクライナ義勇軍団を中心に結成された、2000人規模の志願兵部隊である。
右派セクターを率いていたドミトロ・ヤロシュは、1940〜50年代にソ連の支配に抵抗したウクライナの民族主義者ステパン・バンデラの影響を受けたと公言している。バンデラは、ロシアとウクライナ東部ではナチの協力者とも見なされている。
明確にしておけば、第67旅団には最近、右派セクターとつながりのない兵士も多く加わっている。その一方で過激派も、問題になる程度には多くいた。

記事の冒頭には「ウクライナ軍は何年もの間、極右の過激派の一掃に努めてきた」とあるが、そうとは言えないことは最近のPRからも明らか(👇後ろの肖像画がバンデラ)。

ザルジニーは右派セクターと仲良しだけでなく、言っていることも同じ。

All we did when the large-scale aggression started was to implement not only our knowledge, which we already had in 2014, but also the skills and the experience we have gained since then. And the most important experience we had and the one which we have practised almost like a religion is that Russians and any other enemies must be killed, just killed, and most importantly, we should not be afraid to do it. And this is what we are doing.

マイダン・クーデターを成功させたのも、バンデラを英雄視する右派セクターなどの極右民族主義勢力。

ここにもバンデラ
I don't belong to a party, but I share my views with both Svoboda and the Right Sector.

フランスの親ウクライナ研究者Goujonの『ウクライナ現代史』では、クーデター後のウクライナでは極右勢力(ネオナチ)は泡沫的存在になったかのように書かれているが、

しかしウクライナでの2013-14年のマイダン革命は、決してファシストのクーデターでも、西側の強国の作戦でもない。これは普通の市民が、強権的で汚職まみれの大統領に反抗して、集団で立ち上がった反乱である。確かに、極右集団は警察との対立では重要な役を演じたが、彼らは抗議運動でも、その後の新政権でも、また東部の武装集団のなかでも部外者のままである。そして革命で調停役を果たした西側の首脳陣は、ウクライナの政権交代に立ち会っただけなのである。

p.136

その直後にはそれと完全に矛盾する記述がある。どちらが正しいかと言えば👇であることは明らか。

また、「右派セクター」や東部の戦闘で知られる「アゾフ運動」といった極右団体の多くが、戦争が勃発してから目に見える形で支持されている。国家防衛の名のもとに、彼らは一部の集団(同性愛者、少数民族)に対して暴力的な行為を行い、国の一部の都市で正義の味方の役を演じている。彼らの考えは国民の広い支持を受けていないにしても、政権からは大目に見られている。なぜなら、マイダン革命や戦争で正当性が認められ、一部の政治エリートと持ちつ持たれつの関係を維持しているからである。

p.143

キエフ政府シンパの女は皆雰囲気が似ている

補足

マイダン・クーデターの時点では、ウクライナ軍にはロシア文化圏出身の軍人が多く所属し、一部は反クーデター派に寝返ったため、抵抗勢力を鎮圧するには役立たなくなっていた。そのため、極右勢力が「暴力装置」として重用され、その後は準軍事組織に昇格して政府や軍に影響力を持ち続けることになった。Zガンダムのティターンズのような存在と考えればよい。

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