アイスランドの見せかけのジェンダー平等

「世界一男女平等の国」とされるアイスランドだが、その平等が見せかけであることは労働市場を見るだけでわかる。漁師や土方のジェンダー平等は全く達成されていない。

性別による役割分担に抗議したはずだが、各産業で働く人数は男女半々ではない。漁業や建設業は9割以上が男、公務・教育・保健医療等は7割以上が女である。公務・教育・保健医療等だけで女の就業者の約半数を占める。

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民間企業は男、公的・非営利セクターは女が多い。

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つまり、男がやっていたきつい仕事を女もやるようになったのではなく、公的部門が教育や保健医療等の公共サービスで女を大量に雇い入れたというのがアイスランドの経済面での「男女平等」の実態である。政府が介入して帳尻を合わせる員数主義は政治面にも適用されている。いわば「SEO対策」のようなものである(というよりも、ジェンダーギャップ指数は北欧諸国が上位になるように指標を選んで作成されている)。

他の北欧諸国にも共通する。教育や医療・介護は地方政府が提供するので女が多くなる。

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男女にpay gapがあるのは同じ仕事をしていないからで、unfairではない。経済の原理に反する賃金の決め方が長期的には失敗するであろうことはJordan Petersonが説明する通りである。

EUというゆるやかな共同体のなかに複数の国家が共存するヨーロッパは、いわば巨大な社会実験をやっているようなものだ。いまやもっとも過激(原理主義的)なリベラリズムは北のヨーロッパから生まれ、それがニューヨークやカリフォルニアのような「リベラルなアメリカ」に伝わり、カナダやオーストラリアなどの英語圏の移民国家(アングロスフィア)に広まって「グローバルスタンダード」をつくっていく。

北欧諸国は言わば「非暴力的な文化大革命」の最中だと思って観察すればよい。集団ヒステリーに陥った国々のまだ最終結果が出ていない「巨大な社会実験」を日本が真似する必要は全くない。

これ👇がGGGI2021の1~3位の途中経過。

“We’re moving towards a China-like situation but without any sort of one-child policy,” explains Senior Research Fellow at Nordregio, Anna Karlsdóttir.
Karlsdóttir is surprised that the generous provisions for parental leave and childcare in the Nordic countries have not had a greater impact on birth rates.
What has been impacted, however, is the rising age of first-time parents. Women want to complete their education and embark on their careers before having children.

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