男は狩猟/女は採集は定説です

狩猟採集社会の大半では男女は分業していなかった(男女分業は神話)、という政治的に正しそうな研究が話題になっていた。

シアトルパシフィック大学の研究チーム(全員女)による論文👇

しかし、これにはツッコミどころが満載であり、定説は全く揺るがない。なお、定説とは「女は全く狩猟しない」ではなく「男女には狩猟と採集のバランスに大きな違いがある」である。

反論その一👇だが、この引用でほとんど言い尽くされている。

The big problems are:
1. The data do not show it is a "myth" that men are the predominant hunters across these cultures.
2. The data do not show that women hunt as often as men do.
3. The data do not show that women have always hunted as much as men.
That men hunt more than women is a robust cross-cultural observation.  Further, sex-based roles persist even when both sexes hunt.

It's important to understand that anthropologists, evolutionary psychologists, and others who study hunter-gatherers have rarely (if ever) claimed: "women never hunt." This paper may be great for debunking the myth that women never hunt, but that is a myth few believed in the first place.

カルガリー大学の研究者による反論その二👇だが、サンプル選びの方法が不適切なので「79%」は実態からかけ離れていると考えられる。

要旨となる連続ツイート👇

身体能力に差がある男女が全く同じように働いていたはずがないことは常識で考えればすぐにわかるはずなのだが、ポリコレ汚染されている人には難しいらしい(例えば、狩猟に関係する投擲能力は男女差が非常に大きい)。

男女が分業する理由👇。男女の採食目標とリスクへの感応の違いが、現代社会においても男女の行動の差異(ジェンダーギャップ)の原因になっていることにも注目。

小規模な生産手段における役割分業のうち、男女が異なる生産活動をしたり、異なるタイプの資源利用をおこなったりする性別分業は、多くの狩猟採集社会に共通してみられる現象である。

p.43

後者では、男女の採食目標は根本的に異なると考える。女性は子どもを少なく産んで母子の生存を維持しようとするので、採食の主な目標は自分と子どもの生存のための消費であり、男性の採食活動の主な目標はより多くの社会的効用を得ることである。したがって、女性は失敗が少なくリスクが小さい資源を獲得しようとし、男性は成功の変動性が高くリスクがより大きい資源を獲得しようとする。

p.44

バードらは、2000年からの5年間の断続的なフィールドワークによって約2,000回の狩猟採集行動に関するデータを集めて、男女が世帯生産最大化のために相補的に行動するのか、それともそれぞれがリスクに感応しながら行動するのかを検証した。その結果、男女はリスクに感応しながら別々の採食目的のために行動すると結論付けた。

p.45

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