明石市の「コンクリートから子供へ」の論点逸らし
またこの話だがご容赦を。
論点はokoo20さんのツイートとnoteの記事でほとんど言い尽くされているが、ここでも整理してみる。
まず、この二点については泉市長に批判的な人々も(おそらく)認めている。
Ⓐ明石市の子育て支援の充実には明石市の出生率を高める効果がある
Ⓑ出産予定がある人が明石市の子育て支援を目当てに転入したことが明石市の出生率を高めている
争点になるのは、
Ⓒ子育て支援の充実が以前からの住民の出産を促進する効果の有無(程度)
である。
Ⓒの「自然増的プラス」の効果が十分に大きい→明石市の施策を全国展開すれば日本全体の出生率が高まる(プラスサム)だが、出生率アップが主としてⒷの「社会増的プラス」によるものなら、市町村間ではゼロサムなので、全国展開しても日本全体の出生率向上にはつながらない。
批判者は明石市の高出生率は主としてⒷの「社会増的プラス」によるもので、Ⓒの「自然増的プラス」は小さいのではないか、と疑問を呈しているのだが、泉市長はそれには直接的には答えずにⒶを繰り替えす論点逸らしを続けている(流石は弁護士)。
旧住民の出生率の変化と新住民の寄与度は公表データからは算出できないが、明石市への転入者が多い隣接地域の出生率低下の大きさは、「社会増的プラス」の寄与が大きいことの傍証になっている。
追加の論点が
Ⓓ子育て支援の充実には経済効果がある(→財源ができる)
だが、明石市の税収増加率は全国市町村をやや下回っていることから、これは否定される。泉市長の就任以降の市税収入増は全国的な景気拡大によるもので、明石市固有の要因によるものとは言えない。
税収増では児童福祉費の増分すら賄えていない。
また、
Ⓔ「コンクリートから子供へ」の持続可能性
も重要な論点になる。「こども施策」が本格化する前の明石市の歳出入の各項目は全国市町村の約0.2%でバランスが取れていたが、現在では児童福祉費が+約5割となる一方で、土木費は-約4割になっている。
民主党政権の「コンクリートから人へ」を極端化したものだが、これを国レベルで実施することには疑問を持つ人が少なくないだろう。
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