家計消費と輸出主導の景気後退

4-6月期の国内総生産は実質原系列が前年同期比-9.9%、実質季節調整系列が前期比-7.8%だった。

今回のコロナショックと2008年9月のリーマンショックを比較する。グラフでは説明を省略しているが、横軸は2020年Q1と2008年Q3を0として前後の±12四半期を示している。縦軸は-6~-1の6四半期の平均が100である。

リーマンショックでは2四半期かけた落ち込みが今回は1四半期で生じていることが、その急激さを示している。

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リーマンショックの景気後退は企業部門が主導していたが、今回は家計部門が主導している。

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公的需要はほぼニュートラルである。

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輸出もリーマンショック並みに大幅に落ち込んでいる。

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家計消費と輸出の減少が企業部門に波及すると景気後退が長期化・深刻化してしまうが、既に雇用者報酬は急減している。

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海外経済の急回復が見込み難い現状では、財政赤字と財政支出の拡大が最も確実な景気対策になる。日本銀行のyield curve controlがなくても国債利回りは史上最低水準で急騰する可能性は極めて低いので、政府は惜しげもなく金を使い、雇用を生み出すべきだろう。レントシーカーにピンハネされないことも大切である。

フランクリン・ルーズベルトが、大不況にどう対処したかは、すべてのリベラル派が知っている。大胆で、実験的で、あらゆる手段を駆使し、現代リベラリズムを構築した。・・・・・・ルーズベルトはとにかく橋やビル、公園を造り、アーティストを雇って壁画まで描かせた。だから誰でも知っているのです。・・・・・・国家が惜しげもなく金を使い、雇用を生み出した。日本もこれが好きですよね? この手法のパイオニアがルーズベルトでした。

現政権にその気がないことはわかり切っているが。

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