レイオフのススメ?

『Voice』5月号の特集「逆襲の日本経済」に竹森俊平がレイオフのススメ的なことを書いているが、確かに、日米では雇用のあり方が対極的である。

米国はいま賃上げが盛んだが、彼らがなぜリスクがあるにもかかわらず、積極的な方針を打ち出せるかと言えば、いざとなればレイオフという「逃げ道」があるからだ。すなわち、もしも景気が悪くなったり業績が悪化したりすれば、従業員を解雇してリスクをカバーすればいいという構えである。
これが日本の場合だと、とくに大企業は依然としてレイオフに消極的である。そして不景気のときには過剰労働を抱え続けるわけにいかないので賃上げに動かず、むしろ労働者の報酬を削って現金を貯め続けてきた。そうして必要な投資を怠ってきたのである。

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グラフは失業率で、青がアメリカ、赤が日本(黒はOECD平均、薄い線がユーロ19か国)。

Unemployment rate Total % of labour force Jan 2019 – Mar 2023 Source: OECD (2023)

この「柔軟な雇用市場」がアメリカ経済の強みであることは理解できるが、中谷巌が『資本主義はなぜ自壊したのか』で懺悔していたように、国民意識や社会環境が全く異なる日本に移植しても同じ結果が得られるとは限らないことは覚悟しておく必要がある。

やるのならこれ👇くらい思い切ったものとセットにする必要があるのでは。


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